護佐丸が整備した花崗岩の石垣が美しい城塞
中城城_一の郭の石垣01
中城城_一の郭の石垣01

目次

中城城の見どころとイベント

中城城_三の郭の石垣02
中城城_三の郭の石垣02
中城城_裏門01
中城城_裏門01
中城城_城内から見た風景01
中城城_城内から見た風景01
中城城の見どころは、琉球石灰岩を用いた美しい曲線を描く石垣です。
六つの郭が連なる独特の構造は壮観で、築城技術の高さが感じられます。
特に一の郭や二の郭の石垣は、曲線美と堅牢さを兼ね備え、15世紀のグスク建築の粋を今に伝えています。
中城高原から望む太平洋と東シナ海の眺望もまた格別です。
中城城は連郭式の山城で、主郭である一の郭を中心に、南側に広がる二の郭、三の郭など六つの郭から構成され、石垣で巧みに区画されています。
中城城は沖縄県中頭郡北中城村の標高約160mの高台に位置します。
城からは中城湾や南側の海岸線が一望でき、敵の接近を早期に察知する上で重要でした。
中城村内には、首里城から中城城を経て、勝連グスクまでを結ぶ「(中城)ハンタ道」が通り、かつては宿道や⼈、物流の要衝として機能しました。
現在は、歩道として整備されており、御嶽と戦争遺跡が存在しています。
周辺には、国指定重要文化財「中村家住宅」があり、戦前の沖縄の住居建築の特色を全て見ることができる貴重な遺構です。
中城城は14世紀後半に先中城按司によって築城、1440年頃に築城の名手である護佐丸により増築・完成されました。
護佐丸は中城城を拠点に中山王府を支え、球王国統一に貢献しました。
その後、勝連城主 阿麻和利の策略により謀反の疑いをかけられ、滅ぼされました。
以降、首里王府の直轄下に置かれ、地方統治や防衛の拠点として使われ続けました。
毎年秋には「中城護佐丸まつり」が開催されます。
護佐丸の伝説を描いたプロジェクションマッピングや護佐丸太鼓、中城村にゆかりのあるアーティストやスペシャルゲストによるステージライブなどが行われます。
イベント終盤には花火ショーが予定されており、雄大な石垣群を背に広がる花火は圧巻です。
また、年に数回「世界遺産ナイトウォーク in 中城城跡」が開催され、昼間とは違う、幻想的な夜の中城城を散策できます。

中城城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

那覇空港から那覇空港自動車道路を使って車で約45分

▼レンタカーは以下
・オリックスレンタカー 那覇空港店 098-858-0543
・トヨタレンタカー 那覇空港店 098-858-0100
・ニッポンレンタカー 那覇空港営業所 098-857-0919

新幹線・電車で行く場合

新幹線・電車は通っていません。

車で行く場合

沖縄自動車道 北中城ICより約10分
以下をナビに登録ください。
中城城跡 駐車場
住所:〒901-2314沖縄県中頭郡北中城村字大城503

駐車場

中城城跡 駐車場
住所:〒901-2314沖縄県中頭郡北中城村字大城503

中城城、最寄りの場所からのアクセス方法

中城城_城内案内図01
中城城_城内案内図01
台グスク展望台駐車場からスタートです。
ここらいったん東の森に下り、護佐丸公の墓へ。その後いったん駐車場に戻り、中城城に向かいます。
中城城では、馬場と三の郭→裏門から北の郭→二の郭→一の郭→南の郭→西の郭→正門→ガンジャーガマ(鍛冶場跡)を巡るルートで紹介します。

中城城を散策する

護佐丸公の墓

中城城_護佐丸公の墓01
中城城_護佐丸公の墓01
台グスク展望台駐車場から森の中を進むと護佐丸公の墓です。
護佐丸は15世紀の琉球王国時代に活躍した按司で、築城の名手として知られます。勝連城主阿麻和利の侵攻に備え、中城城を大改修し堅固な防御を築きました。王府への忠誠を尽くしましたが、阿麻和利の讒言により謀反の疑いをかけられ自害したと伝わります。石垣で囲まれた全長約7メートルの亀甲墓形式で、亀の甲羅のような屋根形状が特徴です。

馬場と三の郭

中城城_馬場と三の郭01
中城城_馬場と三の郭01
中城城_三の郭02
中城城_三の郭02
駐車場から西に向かい中城城跡共同管理センターを抜けて進むと馬場と三の郭が見えてきます。
中城城の馬場は、城内での馬の調練や軍事訓練、儀式などに用いられた細長い平坦地で、防衛と兵力運用の拠点として機能しました。三の丸は城の西端に位置する郭で、外郭として本丸や二の丸を守る役割を持ちました。面積は比較的広く、石垣で囲まれた堅固な構造を備え、物資の集積や兵の駐屯にも利用されました。いずれも琉球石灰岩を積み上げた曲線的な石垣が特徴で、美観と実用を兼ね備えた造りが見られます。

裏門から北の郭

中城城_北の郭と裏門02
中城城_北の郭と裏門02
石垣の景観を見ながら右手に進むと裏門です。
裏門は北の郭に接し、城の搦手口として非常時の出入りや補給路に使われました。石造の門跡が残り、通路は狭く曲がりくねっており、侵入者の動きを制限する構造的工夫が見られます。
北の郭は、六郭構造の最北部に位置し、防御の最前線として築かれました。北側からの侵入を防ぐ要衝であり、物資の保管や兵の詰所としても機能しました。郭内は広めの平坦地で、琉球石灰岩を積んだ高い石垣が周囲を囲みます。

二の郭

中城城_二の郭02
中城城_二の郭02
北の郭をぐるっと回るようにところどころ階段を上り進むと二の郭です。
二の郭は、一の郭の南側に隣接し、城の中枢部を防衛する重要な郭として機能しました。築造は護佐丸による15世紀中期の改修時とされ、兵の駐屯や儀式、貴賓の応接にも利用されたと考えられます。面積は広く、中央部は平坦で建物跡が確認され、周囲は琉球石灰岩を用いた高い石垣で囲まれています。

一の郭

中城城_一の郭02
中城城_一の郭02
二の郭内の門をくぐり一の郭に入ります。
一の郭は、城の中心に位置する最大の郭で、護佐丸による15世紀中期の改修で整備されました。政治・軍事の中枢として機能し、主要な殿舎や政務施設が置かれていたと考えられます。広い平坦地を有し、周囲は琉球石灰岩を用いた高く堅固な石垣で囲まれています。その石垣は布積みと呼ばれる工法で作られ、強度と美観を兼ね備えているのが特徴です。
又、一の郭は他の郭との連絡や防御の要となる重要な位置に配置されています。

南の郭

中城城_南の郭01
中城城_南の郭01
南の郭は、六郭構造の最南端に位置し、南側からの侵入を防ぐ外郭として築かれました。この郭も護佐丸により改修され、兵の駐屯や物資の集積、補給路の確保など多目的に利用されました。

西の郭

中城城_西の郭01
中城城_西の郭01
西の郭は、六郭構造の西端に位置し、西側からの防御を担う外郭として築かれました。兵の駐屯や物資保管にも利用されたと考えられます。

正門

中城城_正門01
中城城_正門01
正門はこの西の郭に接し、城の表玄関として訪問者や使節を迎える重要な出入口でした。アーチ状の石組みと石段を備え、防御性と威厳を兼ね備えた構造となっており、中城城の顔ともいえる存在です。

ガンジャーガマ(鍛冶場跡)

中城城_ガンジャーガマ(鍛冶場跡)01
中城城_ガンジャーガマ(鍛冶場跡)01
正門からぐるっと回りながら南に降りてきました。
ガンジャーガマ(鍛冶屋跡)は、城内で武具や農具を製作・修理していた作業場の跡と考えられています。刀剣や槍、甲冑のほか、日常生活に必要な金属製品もここで作られたとも考えられれます。遺構は石垣で囲まれた区画内にあり、炉の跡や金属を加工した痕跡が確認されています。規模は大きくはありませんが、防衛と生活の両面を支える重要施設で、城の自給自足体制を象徴する遺跡のひとつです。

中城城の御城印と百名城スタンプ

中城城の御城印

中城城の御城印は以下の場所で購入できます。
中城城 料金所
住所:〒901-2314沖縄県中頭郡北中城村字大城503
営業時間: 8:30~17:00(5月~9月の間は~18:00まで)
休業日:年中無休
販売金額:通常版(月桃紙) 500円、コラボ御城印500円、武将印(月桃紙) 500円、コラボ武将印500円

中城村観光協会 窓口
住所:〒901-2407 沖縄県中頭郡中城村安里190 内 中城村民体育館
営業時間: 9:00~17:00
休業日:土曜日・日曜日・祝日
販売金額:通常版(月桃紙) 500円、コラボ御城印500円、武将印(月桃紙) 500円、コラボ武将印500円

中城城の日本百名城スタンプ

中城城の日本百名城スタンプは以下で押せます。
中城城 料金所
住所:〒901-2314沖縄県中頭郡北中城村字大城503
営業時間: 8:30~17:00(5月~9月の間は~18:00まで)
休業日:年中無休

中城城の入城情報

所在地

〒901-2314沖縄県中頭郡北中城村字大城503

開城時間

8:30~17:00(5月~9月の間は~18:00まで)
※閉門:30分後

休城日

年中無休

料金

大人:500円、高校生・中学生300円、小学生:200円
※保護者同伴の小学校就学前の方は無料

製作スタッフ紹介

記事担当

倉の丞
倉の丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。