戦国武将オールスターが勢揃いの巨大陣城
名護屋城_本丸跡_02
名護屋城_本丸跡_02

目次

名護屋城の見どころとイベント

名護屋城_石垣跡全景_01
名護屋城_石垣跡全景_01
名護屋城_馬場跡_02
名護屋城_馬場跡_02
名護屋城_名護屋浦_01
名護屋城_名護屋浦_01
名護屋城の最大の見どころは、豊臣秀吉が築いた巨大な天守台と、城跡から見える玄界灘の絶景です。
天守台は広大で、かつては五層七階の天守閣が建っていました。
当時の豊臣政権の威光を感じさせる迫力があります。
また城跡からは、壱岐・対馬方面の海が一望でき、歴史を感じながら自然の美しさも楽しめます。
名護屋城は梯郭式の平山城で、城の面積は約17ヘクタールと広大な敷地に多くの堀や土塁を持ち、当時では大坂城に次ぐ規模を誇りました。
別名「名護屋御旅館」や「名護屋御殿」とも呼ばれ、城の規模や豪華さをうかがわせます。
名護屋城は佐賀県唐津市の北端部、玄界灘に面した丘陵地に位置します。
城跡の近くには古くからの街道である「肥前街道」が通っており、交通の要所として重要な場所でした。
城の周辺には、全国から参集した大名の陣屋が130以上も建てられ、人口20万人を超える城下町でした。
現在でも当時の石碑や道標など古い町並みが色濃く残っています。
さらに、秀吉の側室である広沢局ゆかりの「広沢寺」や秀吉が戦勝祈願したと伝わる「鏡神社」などの神社仏閣も点在しています。
名護屋城は、1592年に豊臣秀吉が朝鮮出兵の拠点として、わずか数か月で築いた城です。
戦国時代の軍事拠点として重要な役割を果たしました。
築城後は秀吉が城主として、全国の諸大名たちを集め、巨大な城下町を築きました。
全国各地の人々や文化・技術が集まる中心地として栄え、焼き物や能、茶道などの文化が400年たった今でも続く「はじまりの城下町」となりました。
しかし、1598年に秀吉が亡くなると戦いは終結し、名護屋城は廃城になりました。
わずか7年間のみ存在した、「幻の名城」です。
現在は石垣や天守台が遺構として残っています。
佐賀県では「はじまりの名護屋城。」というプロジェクトを実施しており、日本の文化発展のはじまりの地である名護屋城の歴史的価値を磨き上げ、発信する取みを行っています。
城跡・陣屋跡の整備や豊臣秀吉ゆかりの茶室の復元等が行われており、特に「黄金の茶室」では、当時の豪華な茶室を復元し、茶道体験を通じてこの地に集った先人たちの想いや歴史を感じることができます。
また、年に数回「名護屋城大茶会」というイベントも開催され、当時の賑わいを再現すべく、様々な文化体験をすることができます。

名護屋城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

福岡空港から福岡都市高速を使って車で約1時間30分
九州佐賀国際空港から長崎自動車道を使って車で約1時間50分

▼レンタカーは以下
福岡空港の場合
・ニッポンレンタカー福岡空港店  092-611-0919
・トヨタレンタリース福岡空港店 092-611-0100
・オリックスレンタカー福岡空港店 092-621-0543

九州佐賀国際空港の場合
・ニッポンレンタカー 佐賀空港カウンター 0952‑46‑0919
・トヨタレンタカー 佐賀空港店 0952‑46‑0120
・オリックスレンタカー 佐賀空港カウンター 0952‑46‑0543

福岡空港から高速バス からつ号に乗る場合は、「唐津駅」で下車
その後、路線バスに乗車(下記、新幹線・電車で行く場合を参照)

新幹線・電車で行く場合

・山陽新幹線:JR博多駅下車
JR博多駅で「福岡市地下鉄空港線」に乗換、「越前前原駅」で下車
「越前前原駅」から「JR筑肥線」に乗車、「唐津駅」または「西唐津駅」で下車

「唐津駅」の場合、大手口バスセンターへ徒歩で移動(約8分ほど)
「西唐津駅」の場合、駅を出てすぐの「西唐津駅前バス停」へ

路線バスに乗車し、「名護屋城博物館入口」にて下車
そこから徒歩で目指します。(5分ほど)

※上記バス停に止まるバスは複数ありますので、時刻表や便数などに合わせてご利用ください

車で行く場合

西九州自動車道 唐津ICよりルート・グランブルー(国道204号)経由で約30分
以下をナビに登録ください。
名護屋城跡駐車場
住所:〒847-0401 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1935

駐車場

名護屋城跡 駐車場
住所:〒847-0401 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1935

多目的広場 駐車場(茶苑「海月」下あたり)
住所:〒847-0401 佐賀県唐津市鎮西町名護屋3458

名護屋城、最寄りの場所からのアクセス方法

佐賀県立名古屋城博物館からスタートするコースです。
※名護屋城までは車かあるいはJR唐津駅からバスがおすすめです。JR唐津駅からバスで所要時間1時間程度(途中にイカの踊り食いで有名な呼子があります)
名護屋城博物館→大手口→東出丸→三ノ丸→本丸→三ノ丸に戻って→馬場→二ノ丸→遊撃丸→二ノ丸に戻って→弾正丸→搦手口→城のかげ溜池というコースで紹介します。

名護屋城を散策する

大手口

名護屋城_大手口櫓台跡_01
名護屋城_大手口櫓台跡_01
名護屋城博物館から大手口に向かいます。
大手口は城の南東部に位置し、幅約8m、長さ約100mの真っ直ぐな登城坂が東出丸虎口へ伸びていました。
大手口手前には豊臣秀吉の親族である木下延俊の陣屋が設置され門番のような役割を果たしていたと考えられます。
門跡は見つからず、常に開放されていたと考えられています。

東出丸

名護屋城_東出丸_01
名護屋城_東出丸_01
大手口を出ると石垣と壁で両脇を仕切られた狭い道が東出丸へと続きます。
東出丸は虎口になっていて実質、ここが城内への最初の防御施設となったようです。
櫓台の石垣が現存し、発掘調査では門の礎石、玉砂利、石段の跡が確認されました。曲輪は防御と居住の両機能を持っており、盛土と芝生で整備されています。

三ノ丸

名護屋城_三の丸石垣跡_01
名護屋城_三の丸石垣跡_01
東出丸を左に折れ曲がって進むと三ノ丸です。
二重櫓が建てられていた櫓台の石垣や、名護屋城最大の鏡石が残存。井戸跡も確認されており、現在は深さ2mほどですが、かつてはもっと深かったとされています。

本丸から天守跡

名護屋城_本丸旧石垣跡_01
名護屋城_本丸旧石垣跡_01
名護屋城_天守跡_01
名護屋城_天守跡_01
三ノ丸から本丸大手門跡の虎口を通ると本丸です。
本丸は、丘陵部に築かれ、東西130m、南北125mと大きな郭になっており、天守台や多聞櫓跡が残ります。天気のいい日は、壱岐・対馬まで見渡せるまさに絶景ポイントです。当時は、能舞台や茶室もあったようで、国内外の来客をもてなすための施設もあったようです。
関ケ原の合戦後、城の石垣や施設は破却されましたが、本丸大手門は、伊達政宗に贈られて、仙台城の大手門として活用されていたとされます。

馬場から二ノ丸

名護屋城_馬場跡_01
名護屋城_馬場跡_01
名護屋城_二ノ丸跡_01
名護屋城_二ノ丸跡_01
再度本丸大手門をくぐり、三ノ丸を経て右手にぐるり回ると馬場にでます。
馬場は、本丸の帯郭のように南側にあり、両端を石垣と壁に覆われた幅10~15mほどの細スペースです。
石垣が迫ってくるような迫力があります。
馬場を抜けると二ノ丸にでます。

遊撃丸

名護屋城_遊撃丸_01
名護屋城_遊撃丸_01
遊撃丸は二ノ丸の北端にあり、当時城の北側にあった船手口を守る重要な防御施設でした。
明から派遣された遊撃将軍である沈惟敬の使節団が宿泊したことでこの名がつけられたとされます。
遊撃丸から東側本丸に食い込むようにある石垣群も必見です。

弾正丸と搦手口

名護屋城_弾正丸搦手口跡_01
名護屋城_弾正丸搦手口跡_01
二ノ丸北が遊撃丸なら南側にあった郭が弾正丸で、有事の際の脱出路である搦手口がありました。
弾正丸は、秀吉の親類で当時五奉行の一人であった浅野""弾正""長吉が屋敷を構えたことからつけられたとされます。
長吉は秀吉正室「ねね」のお兄さんで、この郭の重要性が伝わってきます。

城のかげ溜池

名護屋城_城のかげ溜池_01
名護屋城_城のかげ溜池_01
搦手口をでたら、城のかげ溜池です。この周辺は茶室や芝生もあり、散策路として整備されています。
名前の由来は、城の美しい景観が、溜池の水面に映し出されたことからくるそうです。
当時の残像を想像しながら、ぜひひと休憩してください。

名護屋城の御城印と百名城スタンプ

名護屋城の御城印

名護屋城の御城印は以下の場所で購入できます。
佐賀県立名護屋城博物館
住所:〒847-0401 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1931-3
営業時間:9:00~17:00
休業日:月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌平日、年末年始
販売金額:300円(黄金の城郭符は500円)

名護屋城の日本百名城スタンプ

名護屋城の日本百名城スタンプは以下で押せます。
佐賀県立名護屋城博物館
住所:〒847-0401 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1931-3
営業時間:9:00~17:00
休業日:月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌平日、年末年始

名護屋城の入城情報

所在地

〒847-0401 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1931-3

開城時間

名護屋城跡
9:00~17:00

名護屋城跡観光案内所
9:00~17:00

佐賀県立名護屋城博物館
9:00~17:00

休城日

名護屋城跡
年中無休

名護屋城跡観光案内所
年末年始

佐賀県立名護屋城博物館
月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌平日、年末年始

料金

名護屋城跡
無料
※維持協力金100円(任意)

名護屋城跡観光案内所
ガイドツアーは有料

佐賀県立名護屋城博物館
無料
※特別企画展は有料

製作スタッフ紹介

記事担当

倉の丞
倉の丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。

※写真は「写真AC」を使用