毛利元就の居城、尼子軍を破った伝説の山城
吉田郡山城_毛利元就墓所
吉田郡山城_毛利元就墓所

吉田郡山城の見どころとイベント

吉田郡山城_毛利元就像(御里屋敷跡)01
吉田郡山城_毛利元就像(御里屋敷跡)01
吉田郡山城_大通院砂防公園にある石碑02
吉田郡山城_大通院砂防公園にある石碑02
吉田郡山城_清神社01
吉田郡山城_清神社01
吉田郡山城といえば、毛利元就の居城として有名です。
吉田郡山城を特にも有名にさせたのは尼子軍を追い払った「吉田郡山城の戦い」。
当時、周防・長門の大夫、大内氏に従っていた毛利氏の居城を出雲・伯耆・美作を治める尼子氏が攻めた戦いで、約1年6か月にもわたって籠城とゲリラ戦を繰り返し、3万もの尼子軍を撃退しました。
この戦いで、安芸中部・北部の有力国人となった元就は山陰・中国地方の西側を治めるきっかけをつかみます。
これに呼応するかのように、城も拡張。最盛期は郡山一帯が城郭となりました。
城はもともと郡山の南東側にある尾根伝いにありましたが、より山の中心部の高台に本丸が移され、これを中心に放射線状に拡張されました。
現在の本丸跡を中心に、二の丸、三の丸を本丸を取り囲むように配し、尾根伝いには、「壇(だん)」と呼ばれる小さな郭をいくつも配して守りを固めています。
また、上下に伸びる壇のところどころに堀切、また、三の丸、二の丸、本丸は石垣で囲い、ところどころには櫓を組んで敵の物見を行ったようです。
最盛期の毛利輝元(元就の孫)に時代には、三層三階の天守もあったとされます。
しかし、安芸中部の一部を治める国人から、豊前、安芸、周防、長門、備後、石見、出雲を治める大名となる中で、より交通の便がいい安芸の己斐地区に新しい城を築城。(これが「広島城」)
これにより城内の家臣や城下町の商人や職人値も次々と広島城とその城下に移り住み、城が荒廃していきました。
さらに、一国一城令や島原の乱で城の破却が決まり、城内の建物や石垣が破却されました。
現在、当時から残る建物はありませんが、山城特有の尾根伝いの郭跡や井戸、毛利氏一族ゆかりの場所などが点在し、その大きな城跡を散策するだけで丸一日かかります。
元就が生涯をかけて築城した巨大な山城。その歴史に何があったのか、に思いをはせながら散策してみてください。

吉田郡山城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

最寄り空港:広島空港

▼レンタカーは以下
・トヨタレンタカー 広島空港店:0848-86-9500
・タイムズカー 広島空港店:0848-86-9555
・オリックスレンタカー 広島空港店:0848-86-0544
・ニッポンレンタカー 広島空港店:0848-86-9919
・日産レンタカー 広島空港店:0848-86-9023

広島空港から吉田郡山城までは車やタクシーで約1時間

▼公共交通機関利用の場合
広島バスセンター行きのリムジンバス利用で約50分
JR広島駅からJR芸備線「向原」駅に向かい、そこからバスやタクシーで向かうと便利です。

新幹線・電車で行く場合

JR山陽新幹線:広島駅下車
ルートは主に2つ
1.広島駅からJR
・広島駅で芸備線「三次」行に乗り換え「向原」駅で下車。
 (普通で約1時間20分、快速で約1時間)
・JR向原駅からは、
・タクシーで15分
・バスに乗り約25分、「安芸高田市役所前」バス停下車、徒歩5分(日曜日・祝日は運休)
2.広島駅からバスで直行
・広島駅から市電で広島バスセンターに行き、
 「吉田出張所行き」のバスに乗り約90分、
 「安芸高田市役所前」バス停下車、徒歩5分

車で行く場合

広島駅付近から国道54号線沿いを三次方面に約1時間20分

駐車場

広島城には周辺に駐車場があります。詳しい情報は以下の通りです。
・毛利元就公墓所参道駐車場
住所:〒731-0501 広島県安芸高田市吉田町吉田
・大通院谷川砂防公園駐車場
住所:〒731-0501 広島県安芸高田市吉田町吉田324−2

吉田郡山城、最寄りの場所からのアクセス方法

安芸高田市歴史民俗博物館から大通院砂防公園、城西側から毛利元就をはじめとした一族の墓所をめぐり、本丸へ。その後、勢溜の壇から興禅寺跡(郡山公園)を通って清神社をめぐるルートでご紹介いたします。

吉田郡山城と城下町を散策する

安芸高田市歴史民俗博物館

出発は、安芸高田市歴史民俗博物館からです。
道路を挟んで向かい側には、ゆめタウン吉田(youmeのピンクの看板)があるので昼食やショッピングはここがいいでしょう。
吉田郡山城の歴史や毛利氏はじめとした安芸高田の歴史が学べます。
入ってすぐ右に事務所があるので、百名城スタンプや御城印などはここで確認しておくといいでしょう。二階が映像ルームと展示スペースになっています。
※展示スペースは写真撮影禁止です。

毛利元就像(御里屋敷跡)

博物館を後にまずは大通院砂防公園に向かいます。
途中に御里屋敷跡の看板があります。
毛利元就が平時に暮らしていた屋敷跡です。
ここに「毛利元就の像」がありますので記念撮影してください。

大通院砂防公園と城石碑

吉田郡山城_大通院砂防公園にある石碑01
吉田郡山城_大通院砂防公園にある石碑01
少し登ると大通院砂防公園です。
お車の方は、ここの駐車場が便利かもしれません。(比較的多くの車が止められるスペースになっています。)
毛利家第27代当主直筆の「郡山城」の石碑があります。ここも撮影スポット。

毛利元就火葬場跡と薬研堀跡

吉田郡山城_毛利元就公火葬場跡01
吉田郡山城_毛利元就公火葬場跡01
公園内には、元就火葬場跡があります。
大きな木が目印です。
かつてここには大通院谷川があったようで、薬研堀の後も現在は石垣で護岸されてます。

百万一心の碑

吉田郡山城_百万一心の碑01
吉田郡山城_百万一心の碑01
ここから吉田郡山の尾根を伝うように城西側から登城です。
毛利元就の長男「隆元」の墓所を越えると毛利元就の有名な訓「百万一心」の碑があります。「一日 一力一心」とも読め「皆で力を合わせれば何事も成し得る」という 意味が込められています。安芸国の小さな一豪族でしかなかった元就が家臣・領民のすべての力を結集して乱世に立ち向かっていった心意気が垣間見えます。

毛利元就墓所

吉田郡山城_毛利元就墓所05
吉田郡山城_毛利元就墓所05
吉田郡山城_毛利氏墓所01
吉田郡山城_毛利氏墓所01
うっそうとして木立の中に毛利元就の墓の石碑が見えてきます。
石段を登り鳥居をくぐった先に墓所が見えてきます。
近くには、毛利氏一族の墓所もあります。

三の丸

吉田郡山城への道01
吉田郡山城への道01
ここからはしばらく山道を登り本丸を目指します。
途中に御蔵屋敷跡、釣井の壇があります。
釣井の壇には井戸がありますが、厳重に囲いや鉄網があるため中の様子はうかがえません。
吉田郡山城はこうした井戸があちこちにあったようで、山城には珍しく比較的水には困らなかったようです。
釣井の壇を過ぎると三の丸です。
かつては石垣が囲んでいたようですが、1615年に起きたキリシタン信者の反乱「島原の乱」で民衆が廃城に立てこもって籠城した教訓から、城が民衆の反乱で使われないように徹底的に破却されたといわれています。
そのため、三の丸にはかつての石垣の残骸があちこちに散乱しています。

二の丸

吉田郡山城_二の丸跡01
吉田郡山城_二の丸跡01
三の丸を少し進むと二の丸で大きさは本丸と同じぐらいです。
城内で一番高い場所にあり、一番広い郭といわれています。

本丸

吉田郡山城_本丸跡02
吉田郡山城_本丸跡02
吉田郡山城_本丸、上の壇跡01
吉田郡山城_本丸、上の壇跡01
二の丸を後にしていよいよ本丸です。
本丸は二の丸よりもやや低い位置にあり奥の方には上の壇と呼ばれる少し盛り上がった場所があります。
毛利元就時代はここに大きな櫓のみがあったようですが、孫の「輝元」の時代には三層三階の天守閣があったのではといわれています。

勢溜の壇

吉田郡山城_勢溜の壇からの眺め01
吉田郡山城_勢溜の壇からの眺め01
本丸を後にして麓に戻ります。
途中三の丸を経由して、城南側の尾根伝いを降りていきます。
しばらくいくと見渡しがいい場所に出ます。
ここが「勢溜の壇」です。
城の木々は比較的手入れがされていて見通しが悪いことはないのですが麓の位置を見渡せる場所はなく、登山の休憩所ともなっています。
安芸高田の街もすっすらですが見渡せます。

興禅寺跡(郡山公園)

勢溜の壇をさらに下って山の中腹にきました。
登るときに「毛利の旗印」が見えましたが、まさにその場所です。
ここにはかつて興禅寺というお寺があり、毛利元就が客人をもてなしたとされる庭園などもあったとされます。
現在は、当時の様子を回想できる庭園がつくられ、街を一望できる展望台もあります。

清神社

吉田郡山城_清神社02
吉田郡山城_清神社02
麓に降りてきました。散策の最後は「清(すが)神社」です。
清神社は郡山の鎮守様として城築城以前から吉田の地にありました。
吉田の地(安芸高田市)は江の川と多治比川が合流する場所。自然災害から土地を守るためにも神社がはたしてきた役割は大きかったと考えられます。
境内にある大木は樹齢700年を越えるといわれその歴史の長さと願いの深さが垣間見えます。
戦の神様「素戔嗚尊(スサノオノミコト)」を祀ることから戦国時代は毛利家にも熱く信仰されてきました。
現在も、サッカーJ1のサンフレッチェ広島が祈願する場所としても有名です。
ぜひ立ち寄ってみてください。

吉田郡山城の御城印と百名城スタンプ

吉田郡山城の御城印

吉田郡山城では常時の販売は行っていないようです。
但し、23年・24年は以下の場所にて記念の御城印を販売しています。
■安芸高田市歴史民俗博物館
住所:〒731-0501 広島県安芸高田市吉田町吉田278-1
TEL:0826-42-0070
開館時間:午前9時〜午後5時
休館日:
 ・毎週火曜日(祝日を除く、火曜が祝日の場合は翌日)
 ・祝休日の翌日
 ・12月29日〜1月3日
 ・その他必要に応じて臨時休館
 ※臨時休館中を除き、土日祝日は通常開館
・駐車場: 無料

吉田郡山城の日本百名城スタンプ

吉田郡山城では以下の場所にて百名城スタンプが押せます。
■安芸高田市歴史民俗博物館
住所:〒731-0501 広島県安芸高田市吉田町吉田278-1
TEL:0826-42-0070
開館時間:午前9時〜午後5時
休館日:
 ・毎週火曜日(祝日を除く、火曜が祝日の場合は翌日)
 ・祝休日の翌日
 ・12月29日〜1月3日
 ・その他必要に応じて臨時休館
 ※臨時休館中を除き、土日祝日は通常開館
・駐車場: 無料

吉田郡山城の入城情報

所在地

〒731-0501 安芸高田市吉田町吉田

開城時間

24時間自由

休城日

年中無休

料金

無料

製作スタッフ紹介

記事担当

倉の丞
倉の丞
"歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。

※写真は「写真AC」を使用"