絢爛豪華な大書院と防御力が高すぎる高石垣
篠山城 大書院(二の丸入口付近、正面).
篠山城 大書院(二の丸入口付近、正面).

篠山城の見どころとイベント

篠山城 二の丸高石垣
篠山城 二の丸高石垣
篠山城 東馬出
篠山城 東馬出
篠山城 大書院と二の丸御殿
篠山城 大書院と二の丸御殿
篠山城の見どころは、木造建築でも破格の規模と豪華絢爛さを誇る大書院と藤堂高虎が設計した圧倒的で整然とした高石垣です。
京都に近く、山々と盆地が続く篠山の地は古くより中央政権に従わない土豪たちも多く、自主独立した気風の残るエリアでした。
また、旧街道の要衝で山陰地方や中国地方の外様大名が攻め寄せた時には重要な防衛拠点でもありました。
そのため、天下普請で8万人もの人夫が従事して巨大で堅い城塞が築城されました。
毎年お盆には三の丸広場でデカショ祭りが大勢の人々が盆踊りを通じて交流を楽しみます。

目次

篠山城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

大阪伊丹空港より車・タクシーで約55分
▼レンタカーは以下
トヨタレンタリース 大阪空港ターミナル店 TEL:06-6844-0100
タイムズカー 大阪空港(伊丹)店 TEL:06-6844-0100
オリックスレンタカー 大阪空港店 TEL:06-6152-8070
日産レンタカー 大阪空港店 TEL:06-6856-2334

大阪伊丹空港よりバス・電車で約2時間
最寄り駅:JR篠山口駅より神姫グリーンバス利用、「二階町」バス停下車徒歩約5分

電車・バスで行く場合

JR福知山線篠山口駅より神姫グリーンバス利用、「二階町」バス停下車徒歩約5分

車で行く場合

舞鶴若狭自動車道丹南篠山口I.C.より車で約10分
兵庫県道299・306号線を丹波篠山市中心部方面に進み、「北」交差点で左折してください。

駐車場

・三の丸西駐車場
場所:兵庫県丹波篠山市北新町24-1
利用時間:7:00~16:00
料金:1回200円(16:00~7:00は無料)
収容台数:普通車400台
TEL: 079-552-6668(株式会社アクト篠山)

篠山城、最寄りの場所からのアクセス方法

最寄りとなるJR福知山線の篠山口駅から徒歩だと1時間10分程度かかりますので、バスもしくはタクシーをお勧めします。
タクシーだと12分ほどバスだと20分ほどで城北側の大手門付近に到着します。
最寄りの停車場は、「二階町」でここから徒歩約5分ほどで城北側の大手口に到着します。
今回はこの大手口から虎口を抜けて二の丸大書院を見学。その後本丸天守台から三の丸を眺めながら、大手口に戻り、三の丸から高石垣を巡るルートで紹介いたします。

篠山城を散策する

三の丸から二の丸へ

篠山城 三の丸大手登城口
篠山城 三の丸大手登城口
篠山城 二の丸大手口の虎口
篠山城 二の丸大手口の虎口
篠山城 二の丸石垣(内側から見た)
篠山城 二の丸石垣(内側から見た)
旧大手門の馬出跡から橋を渡り三の丸に入ります。右側が西駐車場、左側が三の丸公園になっていてまっすぐ進むと現在の大手入口で二の丸大書院へ通じています。
篠山城は輪郭式と呼ばれる四方を囲みながら堀と郭を交互にめぐらせる作りで、外堀・三の丸→内堀の中に二の丸・本丸がくっつくように縄張りされています。南東に突き出た本丸を二の丸が北と西から囲う構造で、四方には高石垣が築かれています。
三の丸に入るとすぐにこの高石垣が目に飛び込んできます。
大手入口からスロープのように大きな石垣の間をくぐると二の丸です。
現存している大書院のほか、かつては二の丸御殿もあり城内で最も重要な場所でした。築城時の呼称は「二の丸」でしたが、江戸時代中期以降は「本丸」と呼ばれていました。南側には埋(うずみ)門があり、二層の櫓を備えた櫓門でした。

大書院

篠山城 二の丸入口と大書院
篠山城 二の丸入口と大書院
篠山城 大書院(二の丸御殿側からの見た)
篠山城 大書院(二の丸御殿側からの見た)
篠山城 二の丸御殿跡と大書院
篠山城 二の丸御殿跡と大書院
二の丸に入るとすぐに大書院の建物が目に飛びこんできます。
大書院は篠山城で最も中核となった建物です。徳川家康の命で篠山城が築かれた際に建てられました。篠山藩時代には公式行事の場として活用されていました。明治時代に廃城となった後も残り続けましたが、1944(昭和19)年に火災で焼失しました。現在あるものは2000(平成12)年に再建されたものです。
建物の規模は復元されたもので全体的な床面積が739.33㎡、棟の高さは12.88mにも及びます。国内に見られる木造住宅建築の中では非常に規模が大きいもので、京都の二条城二の丸御殿にある遠侍(警固の武士の詰所)と同程度になっています。また屋根は入母屋造のこけら葺きです。
建物の北正面には唐破風付きの車寄が設けられ、東門には中門が突き出ていました。内部は8つの部屋で構成されており、最大の見どころが藩主が座った「上段の間」です。大書院内で最も格式の高い部屋で、幅は3.5mの大床が設けられています。
また左側には付書院(縁側に設けた出窓)が、反対側には違い棚と帳台溝があるのも特徴です。慶長期(1596~1615年)の建築様式となっているとともに、室内には狩野派の絵も描かれています。なお狩野派の絵は本来屏風絵でしたが、再建時に当時の雰囲気を味わってもらえるように障壁画として転用されました。

二の丸御殿跡

篠山城 二の丸御殿跡
篠山城 二の丸御殿跡
大書院内を見学して右手にぐるりと回りこむと大きな二の丸曲輪にでます。かつてはこの場所に二の丸御殿があり、儀礼を執り行い日常生活を営むばよとなっていました。
二の丸御殿は明治時代に篠山城が廃城になった際に破却されています。発掘調査や江戸時代中期の間取り図の調査を経て、2002(平成14)年に御影石などを使って部屋割りを平面表示する方法で整備されました。
往時は小書院・中奥御殿・奥御殿・台所など複数の建物が立ち並んでいました。なお大書院も本来は二の丸御殿の一部でした。建物の北西側には池泉式の庭園もあったとされ、築山だけが復元されて往時の様子をうかがわせています。
ちなみに二の丸御殿の周辺には複数の櫓も立ち並んでいました。門や多聞櫓と繋げることで警備を厳重にしていたとされています。

本丸、天守台

篠山城 本丸と天守台
篠山城 本丸と天守台
篠山城 天守台
篠山城 天守台
篠山城 天守台跡
篠山城 天守台跡
二の丸から東側に一段高くなった曲輪があります。これが本丸です。
本丸にはもともと天守閣が設けられる予定でした。しかし城自体があまりにも堅固過ぎるという理由で徳川家康の命により途中で建築中止となったため、南西・北西・北東に隅櫓が建てられました。北側の中央には一の井戸もあり、深さは約16m(水深は約8m)です。岩盤をくり抜いて掘ったために完成に2年必要だったとされています。なお江戸時代中期以降は「殿守丸」と呼ばれていました。
天守台は本丸でも南東側に設けられた基台です。内堀からの高さは約17m、天守台自体の平面が東西約18m、南北20mの規模になっています。
天守台には登ることができ、東側には八上城のあった高城山がそびえています。天守台は城内で最も高い場所となっているため、眺望を楽しむには非常におすすめの場所です。

高石垣

篠山城 二の丸高石垣
篠山城 二の丸高石垣
篠山城 二の丸内堀と犬走、高石垣
篠山城 二の丸内堀と犬走、高石垣
篠山城 三の丸南東側から見た二の丸石垣
篠山城 三の丸南東側から見た二の丸石垣
大書院とともに本丸と二の丸の周囲が高石垣に囲われている点も篠山城の大きな見所です。
高石垣は縄張りを担当した藤堂高虎が導入したもので、高さは10mに及びます。加えて石垣の上には多門櫓と隅櫓が設けられており、城の守りをより堅固なものにしていました。篠山城の堅固な造りを代表するものです。ただあまりにも堅固で、徳川家康が天守閣の建築を差し止めたほどでした。
石垣の裾には犬走りと呼ばれる平地も設けられています。犬走りは城の建築や石垣などの地盤を補強するための設備です。
また石垣には、様々な刻印が付いた石が約200種類・2,000個も見られます。篠山城は家康が諸大名に命じて築かせた城であるため、各地の大名が幕府に自らの実績や忠誠心を示すために残したものです。中でもう南側の埋門には池田輝政の名前(「三佐の内」)が入ったものもあります。ちなみに石垣に刻印が入った例は大阪城や名古屋城など、江戸時代に幕府の命で工事が行われた城にも見られます。

東馬出と南馬出

篠山城 東馬出(近景)
篠山城 東馬出(近景)
篠山城 南馬出の土塁
篠山城 南馬出の土塁
篠山城 二の丸埋門跡
篠山城 二の丸埋門跡
篠山城には当時、北、東、南の3方向に馬出がありました。北馬出は城の大手門に通じていましたが現在は埋め立てられています。
現存するのは、南と東の馬出で、いずれも下石垣に鉢巻土塁の形式で、江戸城、岡崎城や彦根城といった親藩・譜代の城に使われていた城郭形式で造られています。東馬出は南馬出に比べやや規模は小さいのですが鉢巻土塁の保存状況がいいのでぜひ見てください。
南馬出は搦手口にあたり、二の丸埋見門につながっていました。

篠山城の御城印と百名城スタンプ

■篠山城の御城印
篠山城では御城印を販売しています。
・篠山城大書院館内ミュージアムショップ
住所:〒669-2332 兵庫県丹波篠山市北新町2-3
TEL:079-552-4500
開館時間:9時~17時(受付16時30分まで)
休館日 :月曜日(祝祭日は開館、翌日休館)、12月25日~1月1日
料金は1枚300円です。

■篠山城の日本百名城スタンプ
日本百名城スタンプは以下で希望者にのみ貸し出しとなります。
・篠山城大書院館内
住所:〒669-2332 兵庫県丹波篠山市北新町2-3
TEL:079-552-4500
開館時間:9時~17時(受付16時30分まで)
休館日 :月曜日(祝祭日は開館、翌日休館)、12月25日~1月1日
※休館日の時は入り口にスタンプが出してあります。

篠山城の入城情報

所在地

住所:兵庫県丹波篠山市北新町2-3
TEL:079-552-4500(篠山城大書院)

開城時間

9:00~17:00(最終受付16:30)

休城日

毎週月曜日、年末年始(12月25日~翌年1月1日)
※祝祭日は開館、翌日休館

料金

・歴史4館共通入館券(2日間有効。 ただし2日目が休館日の場合は当日のみ。)
個人:大人:600円、高校・大学生:300円、小・中学生:150円
団体(30名以上):大人:300円、高校・大学生:150円、小・中学生:50円

・篠山城大書院
大人:400円、高校・大学生:200円、小・中学生:100円

※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方、保護者同伴の6歳未満のお子様は入場料を免除

製作スタッフ紹介

記事

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりや江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。

写真

制作スタッフ
制作スタッフ
男女数名のスタッフにて撮影。
基本、みんな城好き。うんちく好きもいれば、人物像が好きなスタッフも。