六角氏居城、足利家を支えた京の都の番所城
観音寺城_本丸石段02
観音寺城_本丸石段02

観音寺城の見どころとイベント

観音寺城_観音正寺01
観音寺城_観音正寺01
観音寺城_本丸跡01
観音寺城_本丸跡01
観音寺城_太夫大井戸01
観音寺城_太夫大井戸01
観音寺城といえば、繖山全体に広がる郭群と城下町石寺の屋敷群が有名です。
その大きさは七尾城の次に大きく、日本五大山城の1つにも数えられます。
しかし、単純な虎口のみで防御力に優れた竪堀などは見られず、山腹の曲輪を囲むようにつくられていたため、防衛施設としては極めて貧弱な作りだったようです。
地形的には、琵琶湖沿いを上洛する道では繖山の麓の谷間を抜けるように進めなければならず、京都を守る要塞があると見せつけるための意味合いが強かったことがうかがえます。
実際に、観音寺城を居城としていた六角氏は敵に攻められた際は、比較的簡単に城を明け渡し、各地でゲリラ戦を仕掛けることで何度も城を奪還しています。
城は1335年(建武2年)に砦として築かれたのが最初で以来200年以上の時をかけて1550年ぐらいに現在の城跡になったと考えられています。
当初は、城東側(観音正寺駐車場)から布施丸、大見付、伊庭丸あたりが城郭の中心で、城主佐々木氏の名から「佐々木城」と呼ばれていました。後に城が拡張され、その中心が西側に移り、観音正寺から山腹の本丸、平井丸、池田丸へ、山頂の伊藤丸、澤田丸、三国丸へと扇方に広がっていったと考えられます。
山麓には、門前町として「楽市」と呼ばれる誰もが自由に商売をできる場所が設けられ、京都の関所機能としての政庁と合わせ、大変な賑わいだったようです。(一説にはこの仕組みを織田信長が「楽市楽座」として活用していった。との見方もあります)
室町から戦国初期にかけて大いに威勢をふるった六角氏が作った寺町を中心にした城づくりが垣間見える「観音寺城」をぜひ登ってみてください。

目次

観音寺城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

伊丹空港から名神高速道路を使って車で約1時間30分

▼レンタカーは以下
・トヨタレンタカー大阪空港ターミナル TEL:06-6844-0100
・日産レンタカー 大阪空港店 TEL:06-6856-2334
・ニッポンレンタカー 大阪空港ターミナル 営業所 TEL:06-4865-3970
・オリックスレンタカー 大阪空港店 TEL:06-6152-8070

▼バスで行かれる場合
 伊丹空港からバスでJR京都駅(約55分)
 JR京都駅からJR安土駅へ(約45分)

新幹線・電車で行く場合

■東京・名古屋方面から向かう場合
 東海道新幹線:JR米原下車
 JR米原駅からJR安土駅(約50分)

■大阪・京都方面から向かう場合
 東海道新幹線:JR京都駅下車
 JR京都駅からJR安土駅(約1時間)

車で行く場合

名神高速自動車道西宮線八日市ICから国道8号線を通って約40分

■観音寺城、カーナビでの登録は「観音正寺裏参道山上駐車場」で
住所:〒521-1331 滋賀県近江八幡市安土町石寺2番地

駐車場

観音寺城周辺の駐車場でお勧めの駐車場は以下2です。

■観音正寺裏参道山上駐車場
住所:〒521-1331 滋賀県近江八幡市安土町石寺2番地
※登城するにはここが一番近い駐車場になります。

■石寺楽市駐車場
住所:〒521-1331 滋賀県近江八幡市安土町石寺2050-1
※楽市で物産品を見ながら進むならここがお勧めです。レンタサイクリングもあります。

観音寺城、最寄りの場所からのアクセス方法

最寄りの駅は、JR安土駅になりますが城入口となる観音正寺まで徒歩だと90分ほどかかります。
お急ぎの方はタクシーを活用されるといいでしょう。
今回は、登城口となる「観音正寺」からの大石垣までのルートをご紹介いたします。

観音寺城を散策する

観音寺城の寺町跡(観音正寺)

観音寺城_観音正寺の石碑01
観音寺城_観音正寺の石碑01
観音寺城_観音正寺の石垣01
観音寺城_観音正寺の石垣01
観音寺城_観音正寺02
観音寺城_観音正寺02
観音寺城は、天台宗の古刹として名高い「観音正寺」を取り込むように城が作られてきました。
観音正寺は、約620年代、聖徳太子によって創建されたとされる天台宗のお寺です。
人魚を成仏させるために作られた寺として有名で、巡礼信仰の基礎ともなった西国三十三所観音霊場の札所寺院の1つでもあります。
鎌倉、室町時代には、近江守護の佐々木氏(後に佐々木氏は北近江守護の京極氏と南近江守護の六角氏に分かれる)の庇護を受けて大いに発展しました。
しかし、織田信長による六角氏討伐とともに寺は荒廃し、明治維新で彦根城が取り壊されるとその廃材を利用してお寺が再建され現在にいたります。
本堂脇に登城の案内がありますのでここから向かいます。

観音寺城、本丸大石段

観音寺城_本丸石段01
観音寺城_本丸石段01
下りの石垣跡をまっすぐ進むとしばらく案内のないけもの道が続きます。しばらく進むと本丸の大石段があります。大石段は、当初土砂に埋もれており何度かの発掘調査により現在の姿が確認されました。

観音寺城、本丸跡

観音寺城_本丸虎口石垣01
観音寺城_本丸虎口石垣01
観音寺城_暗渠排水跡02
観音寺城_暗渠排水跡02
観音寺城_溜枡跡01
観音寺城_溜枡跡01
石段を上ると本丸に到着です。
本丸は比較的大きな曲輪で、城主六角氏の居館である「二重御殿」とよばれる施設があったのではといわれています。暗渠排水と呼ばれる排水路や溜枡とよばれ貯水場の跡も確認できます。

観音寺城、平井丸跡

観音寺城_平井丸虎口01
観音寺城_平井丸虎口01
本丸から下に下っていくと平井丸です。
平井丸は当時の虎口や石垣が確認できます。
虎口は、食い違いになっておらず簡素なつくりで、石垣で作られた埋門も確認できます。

観音寺城、落合丸・池田丸跡

観音寺城_落合丸虎口01
観音寺城_落合丸虎口01
観音寺城_池田丸01
観音寺城_池田丸01
平井丸に隣接する形で落合丸、さらに進むと池田丸です。
池田丸は城の最南端に位置し、本丸にある御屋形へ通じる城戸口になっていました。
曲輪は南曲輪と北曲輪に分けられ、周囲は土塀をめぐらし、南面には庭園をもつ主殿や溜枡等が発掘されています。

観音寺城、大石垣

池田丸から更に道を下ると女郎岩といわれる巨岩、そして大石垣があります。
高さは7mもあり非常に巨大ですが、途中から土砂に覆われています。

観音寺城の御城印と百名城スタンプ

御城印販売場所

観音正寺
住所:〒521-1331 滋賀県近江八幡市安土町石寺2
電話番号:0748-46-2549
営業時間:8:00〜17:00
料金:500円

日本100名城スタンプ設置場所

石寺楽市
住所:〒521-1331 滋賀県近江八幡市安土町石寺2050-1
電話番号:0748-46-4263
営業時間:3月下旬〜12月上旬 8:00〜17:00
休業: 12月中旬〜3月上旬

観音寺城の入城情報

所在地

観音正寺
住所:〒521-1331 滋賀県近江八幡市安土町石寺2
営業時間:8:00〜17:00

開城時間

観音正寺からの入城は8:00〜17:00

休城日

年中無休

料金

無料

製作スタッフ紹介

記事担当

倉の丞
倉の丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。

※写真は「写真AC」を使用