川中島古戦場近く、真田氏の美しい土塁城
松代城 太鼓門前橋
松代城 太鼓門前橋

松代城の見どころとイベント

松代城 埋門と土塁
松代城 埋門と土塁
松代城 北不明門(本丸から)
松代城 北不明門(本丸から)
松代城 戌亥櫓台から見た眺め
松代城 戌亥櫓台から見た眺め
松代城の見どころは、土塁を多用しした真田家の築城術が随所に散見できるところと千曲川の氾濫と戦うための仕組みが造られているところです。
石垣は本丸や城門にのみ使われ、二の丸、三の丸、花の丸といたその他の曲輪は土塁で囲われています。
また、本丸北西部には場内で最も大きな櫓であった「戌亥櫓」があり、敵からの侵入とともに千曲川の様子が監視できるように造られていました。
本丸内部も非常にコンパクトで大きな建物は置かず、真田屋敷や政務所は三の丸や花の丸といった外郭につくられました。

松代城を舞台にしたイベントで代表的なものに、毎年10月上旬に開催される「松代藩真田十万石まつり」があります。250年にわたって松代藩を治めた真田氏の善政をたたえるものです。最大の目玉が、松代城から街中を練り歩く「松代藩真田十万石時代行列」です。250人もの人々が松代藩時代の侍や姫君に扮しながら進む姿から往時の様子がイメージできます。

目次

松代城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

信州まつもと空港より車・タクシーで約55分
▼レンタカーは以下
トヨタレンタリース 塩尻駅前店 TEL:0263-51-5100
タイムズカー 松本駅前店 TEL:0263-32-7040
オリックスレンタカー 松本駅前店 TEL:0263-34-3711
Jネットレンタカー 松本駅前店 TEL:0263-35-0154

信州まつもと空港よりバス・電車で約2時間30分
最寄り駅:JR長野駅→アルピコ交通「松代駅」バス停より徒歩約5分

新幹線・電車で行く場合

北陸新幹線・信越本線・飯山線・篠ノ井線・しなの鉄道長野駅善光寺口より松代行きアルピコ交通バスで約30分、
「松代駅」バス停下車後徒歩5分

車で行く場合

上信越自動車道長野I.C.より車で約5分

駐車場

・市営殿町観光駐車場
場所:長野県長野市松代町松代10
利用時間:24時間
料金:無料
収容台数:普通車350台、身障者用2台

・松代城北駐車場
場所:長野県長野市松代町643-13
利用時間:24時間
料金:無料
収容台数:普通車60台、身障者用2台

松代城、最寄りの場所からのアクセス方法

松代城は長野県長野市松代町にある平城です。戦国時代の1560(永禄3)年頃に築城され、江戸時代には松代藩主真田氏の居城として機能しました。
別名で最初に名付けられた「海津城(貝津城)」があります。また周囲に茅が生い茂った場所にあったことから「茅津城」や、長い傾斜地を特徴とする善光寺一帯に面していることから「長野城」とも呼ばれています。
最寄り駅はJR長野駅で、そこからバスで30分ほどです。最寄りは旧松代駅前のロータリーで、そこから徒歩で向かうことになります。(城まで徒歩5分ぐらいです)
途中に川中島の古戦場がありますので合わせてご覧いただくといいかもしれません。
(川中島古戦場というバス停で下車し、徒歩で向かいます。車でお越しの際は大きな駐車場あります。)
車でお越しの際は、殿町無料駐車場が城から近くで便利です。
今回は、城南側から太鼓門、橋詰門を見ながらお堀を右側に回り北不明門、埋門、戌亥隅櫓台を見て本丸へ、その後城南側にある旧三の丸付近の観光施設を散策して、バスで長野駅に戻る途中で川中島古戦場を見学するルートでご紹介いたします。

松代城を散策する

二の丸

松代城 二の丸南門からの眺め
松代城 二の丸南門からの眺め
松代城 二の丸東側の土塁
松代城 二の丸東側の土塁
松代城 内堀と東不明門前橋
松代城 内堀と東不明門前橋
太鼓門へは二の丸南門跡からむかいます。
二の丸は本丸を囲むように土塁を多用して造られています。
これは真田の実務的な城づくりという側面と関ヶ原、大阪の陣という2つの大戦で徳川にあらがった真田氏への幕府の警戒感に配慮したものとも考えられます。
土塁の構造は、単に土を盛るのではなく、内部に石をもって基礎を造りその上に土を盛って造られます。
石により隙間に水分を適度に含んだ土は青々と苔むし、登ろうと思っても中々登れない。というもので、土塁の周りは溜池のような幅のある大きな濠とすることで敵が梯子をかけて渡れないように工夫されています。

太鼓門・橋詰門

松代城 太鼓門入口
松代城 太鼓門入口
松代城 太鼓門前橋と内堀
松代城 太鼓門前橋と内堀
松代城 太鼓門から見た本丸
松代城 太鼓門から見た本丸
太鼓門は松代城の本丸南側にある門で、現在の城跡で最大の見どころです。かつて本丸にあった3ヶ所の門の中で最大の規模を誇っていました。外側の橋詰門とは続塀によって繋がっており、門自体が枡形虎口になっています。
太鼓門は高さ11.8mで、2階部分は櫓になっているのが特徴です。木材や漆喰を使った工法で建てられたとされており、2004(平成16)年の復元時にも当時の方法で忠実に再現されています。外側にある橋詰門は、江戸城桜田門に見られるような「高麗門」形式の門です。なお橋詰門のすぐ外側には内堀が流れており、太鼓門前橋が渡してあります。

北不明門

松代城 北不明門と塀
松代城 北不明門と塀
松代城 北不明門入口
松代城 北不明門入口
松代城 北不明門(内側から)
松代城 北不明門(内側から)
北不明門(きたあかずのもん)は、本丸の北側に位置する門です。搦手(裏門)の役割を果たしており、構造も太鼓門と同じく櫓門と外側の高麗門・続塀で構成されています。なお18世紀前半までは千曲川の河川敷に位置していたことから、「水ノ手御門(みずのてごもん)」とも呼ばれていました。
北不明門も2004(平成16)年に復元されたものです。絵図資料と残されていた門の礎石を活用する形で復元されています。なお櫓門は太鼓門と同じく2階部分に櫓があるとともに、櫓の部分が石垣に繋がっていない点が大きな特徴です。また手前の高麗門と櫓門の間は細い通路になっています。

埋門

松代城 埋門
松代城 埋門
松代城 埋門から見た本丸
松代城 埋門から見た本丸
松代城 二の丸西側の土塁
松代城 二の丸西側の土塁
埋門(うずみもん)は本丸から見て西側、二の丸の北西側にある門です。二の丸を囲う土塁の中に配置されており、石でトンネル状に構築されています。緊急時にすぐ埋められるようになっていたことが名前の由来です。門の幅は人1人がようやく通れる程度になっています。
なお二の丸を囲う土塁には、ほかにも同じ門が2ヶ所存在していました。現在見られるものは、江戸時代後期の絵図をもとに当時の景観を再現したものです。

戌亥隅櫓台

松代城 戌亥櫓台石垣
松代城 戌亥櫓台石垣
戌亥(いぬい)隅櫓台は、本丸に3ヶ所あった隅櫓のうち北西に建てられたものです。現在では上り階段が設けられているため、城内で最も高い地点に行けるようになっています。
基盤となっている石垣は、城内に残っている石垣で最も古いものです。近世初頭のものとされており、工法も安土桃山時代の特徴である野面積みが使われています。大小の自然の石を巧みに組んでおり、勾配の美しさと櫓台の高さから当時の築城技術の高さがうかがい知れます。

真田邸(新御殿)

松代城 城下の真田邸入口
松代城 城下の真田邸入口
真田邸(新御殿)は太鼓門から南に3分歩いた場所にある邸宅です。幕末の1864(元治元)年、松代藩第9代藩主の真田幸教が義母・貞松院の屋敷として建てました。当初は城内にあった藩主の生活の場・花の丸御殿と区別するため、「新御殿」と呼ばれていました。
明治時代になって松代藩が廃藩置県でなくなると、隠居した幸教一族も住むようになります。1966(昭和41)年には真田氏12代の幸治氏が当時の松代町に譲渡、後に国の史跡に指定されました。
邸内には主屋・表門・庭園・7棟の土蔵が残されており、江戸時代末期の御殿建築を現在に伝えています。主屋の内部には表座敷だけでなく湯殿や便所まで保存されているため、より当時の殿様の生活に迫れる点が特徴的です。庭園についても屋敷内部から一望できる座観式で、四季の彩りを感じられます。

真田宝物館

真田宝物館は真田邸のすぐ北東にある博物館で、1969(昭和44)年に開館しました。1966(昭和41)年に真田氏第12代の幸治氏が松代町に寄贈した父祖伝来の家宝や、松代藩に関する記録を展示しています。
常設展示室では真田氏が歩んだ歴史や、彼らが所蔵していた大名道具が見られます。国の重要文化財に指定されている「青江の大太刀」や、武田信玄・豊臣秀吉・徳川家康など名だたる戦国武将の書状もあり見どころです。大名道具については専門の展示スペースがあり、道具の分類も武具・刀剣類・絵画・調度品などと幅広いです。

川中島古戦場跡

川中島古戦場跡は松代城から車を使って北へ10分行った場所にある古戦場跡です。1561(永禄4)年9月11日の第四次川中島合戦の際、武田信玄が本陣を置いた八幡原に位置しています。現在では史跡公園として整備されており、園内には築山状の芝生広場・市立博物館・八幡社などがあります。
八幡社の境内には、武田信玄と上杉謙信が一騎打ちする像もあり、歴史ロマンを掻き立てるスポットです。なお像のすぐ横には、信玄の風林火山の旗と謙信の毘沙門天の旗も立っています。ほかにも史跡公園から千曲川を渡った向こう側には、信玄の軍師として知られる山本勘助の墓もあります。

松代城の御城印と百名城スタンプ

松代城の御城印

【平日】信州松代観光協会(真田宝物館内)
住所:長野県長野市松代町2−2 松代町4−1
営業時間:9時~17時
TEL:026-278-3366

【土日祝】松代観光案内所
住所:長野県長野市松代町2−2 松代町4−1
営業時間:9時~17時
TEL:026-278-3366

松代城の百名城スタンプ

松代城の入城情報所在地

住所:長野県長野市松代町松代1
TEL:026-215-6702

開城時間

4~10月:9:00~17:00
11~3月:9:00~16:30
(入場は閉場時間の30分前まで)

休城日

年末年始(12月29日~1月3日)・館内消毒期間

料金

城内入城は無料
隣接施設は以下の料金です。
■真田宝物館の入館情報
住所:長野県長野市松代町松代4-1
TEL:026-278-2801
【開館時間】
4~10月:9:00~17:00
11~3月:9:00~16:30
(入場は閉場時間の30分前まで)
【休館日】
毎週火曜(祝日の場合は翌日)・年末年始(12月29日~1月3日)・館内消毒期間(毎年6月下旬頃)
【料金】
個人:一般600円、小・中学生100円
団体(20名以上):一般500円 小・中学生50円
他施設との共通割引券(一般のみ)あり

・毎週土曜日と5月5日は小・中学生無料
・9月第3月曜日と11月3日は無料
・障がい者手帳などをご提示した本人と介護者1名は入場料免除

製作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。