澄んだ空気と水堀に浮かぶ荘厳な国宝天守群
松本城 大天守、辰巳附櫓と月見櫓
松本城 大天守、辰巳附櫓と月見櫓

松本城の見どころとイベント

松本城 夜のライトアップ
松本城 夜のライトアップ
松本城と松本の街
松本城と松本の街
松本城 内堀の夜桜
松本城 内堀の夜桜
城の見どころは、なんといっても美しい天守群です。
五重六階の大天守をはじめ、乾小天守、辰巳櫓、渡り櫓、そして日本で唯一となる天守閣とつながる月見櫓の天守群を構成する建物は維新後、城郭の一部破却はあったものの当時の姿を今も残しています。
天守群は年中無休で夜間ライトアップが行われます。
時間は日没から22:00で、春は桜のピンクと、冬は雪景色の白とが美しく映え、黒く荘厳な天守閣の美しさを一層引き立たせてくれます。

目次

松本城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

信州まつもと空港から車・タクシーで約30分
▼レンタカーは以下
 ・トヨタレンタカーリース 松本店 TEL:0263-51-5100
 ・オリックスレンタカー 松本駅前店 TEL:0263-34-3711 
 ・タイムズカー TEL:0263-32-7040
 ・Jネットレンタカー 松本駅前店 TEL:0263-35-0154

新幹線・電車で行く場合

JR篠ノ井線「松本駅」下車(松本駅から徒歩で約20分です。)

車で行く場合

長野自動車道 松本ICから車で約20分
■松本城、カーナビに登録するのは以下の情報で!
住所:長野県松本市丸の内4番1号
TEL:0263-32-2902

駐車場

・市営松本城大手門駐車場
利用時間:7時30分~22時30分
料金:30分 150円
TEL:0263-33-1010

松本城、最寄りの場所からのアクセス方法

松本城 本町通の海鼠塀
松本城 本町通の海鼠塀
松本城 縄手通り入口
松本城 縄手通り入口
松本城 二の門
松本城 二の門
松本城は現存する五重六階の天守の中では日本最古の国宝の城であり、城好きからも絶大な人気を誇る日本を代表する平城です。
松本城へはJR松本駅から徒歩で15分程度。
駅から松本街道を西に5分ほど、深志二丁目交差点を左折し本町通りから女鳥羽川を渡り、縄手通りを右に見ながら大名通りを北に行くとお堀が見えてきます。
松本城の本丸へは
・大名通りを真っすぐ北に進み、左にお蕎麦屋、右にお堀を見ながら黒門に向かうルートと、
・右のお堀をぐるっと回りながら橋を渡り松本城東側の二の門、太鼓門から入るルートの2つあります。
今回は二の門から入るルートで本丸への道筋をご紹介いたします。

松本城とその城下町を散策する

二の門から太鼓門、黒門へ

松本城 太鼓門と玄蕃石
松本城 太鼓門と玄蕃石
松本城 二の丸御殿跡
松本城 二の丸御殿跡
松本城 黒門(一ノ門)外観
松本城 黒門(一ノ門)外観
・二の門
二の門は高麗門になっていて入るとすぐに太鼓門と合わせ枡形の作りとなり、敵が一気に攻め込めない作りになっています。
・太鼓門
太鼓門は、二の丸に入る入口にある櫓門で、江戸時代は倉庫として使用されていました。
門に向かうとすぐ目に飛び込むの、石垣の中にある大きな玄蕃石です。
重さ約22.5トンの玢岩(ひんがん)で松本の東、岡田か山辺の石といわれ、石川数正の息子石川玄番守康長が工事現場の者を鼓舞して運ばせたものだといわれています。(彼の名にちなんだ石の名前なのです)
当時石を運ばせていた康長は、石運びの作業に愚痴をこぼす作業員の首をはねて作業の指揮を厳しく執り行ったという逸話が残ってます。
太鼓門を通ると右には二の丸御殿跡があります。
・二の丸御殿跡
二の丸御殿は本丸御殿焼失後に政務を行った場所で、現在は、その礎石跡などが平面復元されています。
二ノ丸御殿跡から左に堀をぐるっと回るように向かうと本丸入口の黒門へと続きます。
・黒門
黒門は、本丸への入り口にあり、当時は黒門前方に四角く囲む枡形の櫓があり、そこから侵入してきた敵を鉄砲で狙い撃つ構造になっていたと考えられています。当時黒門を抜けると本丸御殿があり、当時の最高の色調である黒の名を冠してその格式の高さをうたったとされています。
黒門手前左側に「観覧案内口」がありここでチケットを購入し、黒門を通って本丸へと入っていきます。

黒門から本丸へ

松本城 黒門(一ノ門)
松本城 黒門(一ノ門)
松本城 黒門(一ノ門)内の甲冑
松本城 黒門(一ノ門)内の甲冑
松本城 本丸内
松本城 本丸内
本丸内は庭園となり、芝生がきれいに刈り込まれ、その周りに松やつつじ、桜などの木々が配置されています。
庭園中央には、武者姿や殿様、姫君の服装をしたキャストさんがいますので、天守内観覧後に写真を撮るのもいいでしょう。
左を見ると、現存12天守の1つである大天守が聳え、江戸時代初期の松平氏治世で追加された櫓群を加える形で美しい天守群を形成しています。
天守へは庭を左に見ながら本丸の隅を反時計回りに進んでいきます。

天守

松本城 大天守、月見櫓と乾小天守
松本城 大天守、月見櫓と乾小天守
松本城 乾小天守と大天守(埋見橋からの眺め)
松本城 乾小天守と大天守(埋見橋からの眺め)
松本城 大天守からの眺望
松本城 大天守からの眺望
松本城天守群は、大天守(だいてんしゅ)・乾小天守(いぬいこてんしゅ)・渡櫓(わたりやぐら)・辰巳附櫓(たつみつけやぐら)・月見櫓(つきみやぐら)の五棟で形成され、大天守と乾小天守を渡櫓によって連結し、辰巳附櫓と月見櫓が複合された連結複合式とよばれる天守構造になっています。
天守群の壁下部は「黒漆塗の下見板」で、上部は白漆喰仕上げです。下見板の役割は、天守の屋根で防ぎ切れない雨水をはじき天守の壁を守ることにあり、当時は壁全体を白漆喰で塗ると雨によって崩れるリスクが高いので、下見板が用いられました。下見板張りの天守の壁は50年の耐久性があったといわれています。

外堀と藩校(惣堀跡と旧開智学校)

松本城 総堀跡
松本城 総堀跡
松本城 旧開智学校
松本城 旧開智学校
三の丸やその周囲にあった総堀は破却、埋め立てられ城北東に一部惣堀跡として残ります。
三の丸北西部には当時藩校があり、明治維新を経て、西洋建築を取り入れた「開智学校」に生まれ変わりました。
■ 惣堀跡
松本城の遺構は城を出たところにも存在します。その1つが惣堀跡です。
惣堀は現在の松本城をぐるっと取り囲むように存在し、東は現在の上土通り沿いを女鳥羽川まで、南は縄手通りがすっぽり入って中央大橋から北にぐるりと取り囲むように存在しました。現在は城の東側、深志橋の南北に一部当時の遺構が残っています。
■ 旧開智学校
旧開智学校は、松本城北側、松本神社前交差点を北に進んだ場所にあります。
真っすぐ進むとまずは、現在の開智小学校がありそれを左にぐるりと回り北に5分ほど進むと右手に見えてきます。
藩校崇教館から明治維新による松本藩学、廃藩置県による筑摩県学と続いてきた県下第一の小学校で1873年に創立されました。
見所は、白壁とグレーの屋根や窓で構成された美しい外観で、西洋風建物に見えますが、実は日本古来の建築方法を駆使した擬洋風建築で作られています。
白壁は城壁にも使われる鼠漆喰、車寄2階の屋根に櫓に使われる唐破風、建物中央の八角塔屋の手摺には唐草文様が見えます。
国宝にも指定された要因は、明治初期の建物の中でも外観のみならずその内部の装飾も非常に見事な細工となっており学術的な価値が高いと判断されたからだと思われます。

松本城の城下町(縄手通りと四柱神社)

松本城 縄手通り
松本城 縄手通り
松本城 四柱神社
松本城 四柱神社
■ 縄手通り(なわてどおり)
四柱神社同様、「松本城大手門跡枡形広場」を入り口に明治時代にタイムトリップしたかのような通りが広がります。
入口は大きなカエルの像が目印です。
元々「四柱神社」の参道として栄えた商店街で、川沿いの風情、レトロな街並み、豊富な土産物屋に生活感を感じる青果屋まで様々な店が軒を連ねています。
東西に走る「縄手通り」には北側へのびる2つの路地「緑町通り」と「上土通り」が通り一帯がレトロでおしゃれなお店が集まった不思議な空間になっています。
■ 四柱神社(よはしらじんじゃ)
JR松本駅から松本城に向かう途中に、四柱神社があります。
本町通りから女鳥羽川にかかる千歳橋を渡ると右側すぐに、「松本城大手門跡枡形広場」があります。
広場から右側に真っすぐ入ると左手奥に四柱神社のお社が見えます。
なぜ、四柱神社なのか?
それは、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高皇産霊神(かたむすび)、神皇産霊神(かみむすび)、天照大神(あまてらすおおみかみ)という日本書紀に登場する4神様を祀っているからです。
1872年(明治5)に設置され、1888年(明治21)の松本大火で焼失したものの1924年(大正13)に再建されました。
「ねがいごとむすびの神」として地元の方々に愛されています。

松本城と合わせて訪れたい観光スポット|諏訪エリア

おすすめ観光スポットとして「諏訪エリア」についてご紹介します。
諏訪エリアは八ヶ岳や諏訪湖、霧ヶ峰高原など豊かな自然を感じることができる地域です。八ヶ岳は縄文時代から続く歴史文化があり、「縄文時代の首都」と称されることもあります。また、多くの遺跡や出土品も見つかっており、国宝に指定された土偶も存在します。そして諏訪の整った気候風土は、日本酒や味噌などの醸造文化やみずみずしく美味しい高原野菜やフルーツを育んでいます。
そんな雄大な自然が文化や信仰、生活と密接に結びついている諏訪の見どころについて、以下の2つをご紹介していきます。

諏訪エリアの見どころ①|諏訪湖

諏訪湖(秋)
諏訪湖(秋)
諏訪湖の夜景
諏訪湖の夜景
長野県のほぼ中央に位置する諏訪湖は、周囲約16kmと信州の中で最も大きい湖です。
自然豊かな湖畔の散策やサイクリング、諏訪湖を観ながら足湯でのんびり過ごすことができ、四季を通じて楽しめる所が魅力です。遊覧船やボートなどのアクティビティーも人気があり、夏には日本全国、アジアでも有数の規模を誇る諏訪湖花火大会が開催されます。冬には「御神渡(おみわたり)」とよばれる、結氷が膨張して割れ裂ける現象が見られることがあり、「諏訪大社上社の男神が下社の女神のもとへと渡る恋の道である」という言い伝えがあります。また、諏訪湖には武田信玄の墓があるという伝説も残っています。

諏訪エリアの見どころ②|諏訪大社

諏訪大社(本宮)
諏訪大社(本宮)
諏訪大社(下社)
諏訪大社(下社)
諏訪大社は最古の神社の一つで、全国に1万社以上の摂社・末社を持っています。諏訪湖の周辺に「諏訪大社上社 本宮」、「諏訪大社上社 前宮」、「諏訪大社下社 秋宮」、「諏訪大社下社 春宮」の4箇所の境内地があります。
古くからある信仰には、風と水を司る竜神や、風や水に直接関係のある農業の守護神としての信仰が有名です。水の信仰が海の守り神となり、古くからある港の近くにはお諏訪さまがお祀りされています。また、武勇の神として広く信仰され、現在は生命の根源、生活の源を守る神として多くの方が参拝に訪れています。

松本城から諏訪エリアへの行き方

松本城から諏訪湖までは、車で約45分
・高速だと松本ICから「長野自動車道/中央自動車道」を経由し、諏訪ICを出て、県道50号線を北上するルート
・一般道だと、国道・県道を使って、県道16号線から中央自動車道沿いに南下し、石舟渡で諏訪湖沿いに曲がって直進するルート
の2つあります。
電車は JR篠ノ井線 松本駅から上諏訪駅まで約45分で着きます。
松本城から松本駅は徒歩で20分程度。上諏訪駅から諏訪湖畔は、徒歩数分で到着いたします。
上諏訪駅には足湯が、周辺にはケヤキ並木や湖畔の散歩道もあります。諏訪湖の広い景色を眺めながらゆったり散策するのがおすすめです。
諏訪湖から「諏訪大社」へは、車での移動をおすすめします。諏訪大社は、諏訪湖の沿岸4ヶ所に鎮座しており、北岸から南岸への移動は、車でも30分程かかります。そのため、南岸に鎮座する上社(本宮・前宮)、北岸に鎮座する下社(春宮・秋宮)とそれぞれ分けて参拝する方が多いです。
・上社(本宮・前宮)へは、中央自動車道「諏訪IC」より約2㎞
・下社(春宮・秋宮)へは、中央自動車道「岡谷IC」より約5㎞
で到着します。

松本城の御城印と百名城スタンプ

松本城では、登閣記念朱印符(御城印)を販売しています。2018年から小笠原秀政の印章がデザインされた御城印が追加され、現在2種類の御城印が販売されています。
御城印は、松本城管理事務所(入城していただき、本丸庭園内にあります。近くに売店があります。)にて販売されています。
料金は1枚300円、2種類セットでは500円です。
日本百名城スタンプは、同じく松本城管理事務所の入り口で押せます。

管理事務所の近くの松本城売店では、現存十二天守城カード(1 枚300円)の販売も行っています。

■松本城管理事務所
住所:長野県松本市丸の内4番1号
TEL:0263-32-2902

松本城の入城情報

所在地

住所:長野県松本市丸の内4番1号
TEL:0263-32-2902

開城時間

[通常]8時30分~17時(最終入場は16時30分まで)
[ゴールデンウィーク期間]8時~18時(最終入場は17時30分まで)
[夏季期間]8時~18時(最終入場は17時30分まで)

休城日

12月29日~31日

料金

大人(高校生以上):700円
小人(小中学生):300円
大人団体(20名以上):630円
小人団体(20名以上):270円
大人団体(100名以上):560円
小人団体(100名以上):240円
大人団体(300名以上):490円
小人団体(300名以上):210円
※小学生未満は無料です。
※松本市民は身分証明書の提示により、本丸庭園まで無料で入場できます。(天守に登る方は松本城観覧料が必要)
※障がい者の方は、障がい者手帳をご提示いただければ、本人と介護者1名は無料になります。

製作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。