最上氏築城、伊達、上杉を睨む日本五大巨城
山形城_本丸一文字門2
山形城_本丸一文字門2

山形城の見どころとイベント

山形城_二の丸東大手門
山形城_二の丸東大手門
山形城_本丸一文字門付近の石垣と空堀2
山形城_本丸一文字門付近の石垣と空堀2
山形城_文翔館8
山形城_文翔館8
山形城と言えば、最上氏57万石の巨大な平城として有名。
外郭にあたる三の丸は東西1480m、南北1881mにも及び、日本で5番目に大きな城郭です。
最上氏は室町幕府の三管領家の1つ斯波氏の一族で、地元には最上氏最大版図を築いた最上義光(よしあき)を記念する像や建物があります。
残念ながら最上氏は、1622(元和8)年に改易。以降は鳥居氏、保科氏(会津松平氏)、松平氏と続き、徳川譜代や親藩大名が入り明治維新を迎えます。
城は北東側を馬見ガ崎川を大きな外堀として、その東側に惣構の巨大な城と城下町が形成されました。
(伊達氏への警戒ぶりが垣間見えますね。)
城は土塁と石垣をうまく活用して作られ、馬見ガ崎川から三の丸、二の丸、本丸とその曲輪を囲むように水堀がめぐらされていました。
残念ながら現在は本丸が空堀となっていますが、各櫓門の強度を高めるために角に配された石垣と土塁の規則正しい配列が見事に残っています。また、二の丸東櫓門、本丸一文字門など美しい櫓や門も復元されています。
二の丸を囲む内堀や土塁上は遊歩道として整備され、城の周りには、最上義光歴史館や旧山形県庁舎「文翔館」、三の丸土塁跡など当時の歴史を忍ばせる書物や調度品、建物や城跡の痕跡もあり散策にはぴったりです。
山形牛や郷土料理の芋煮が味わえるお店も数多くあります。
山形城にぜひ足を運んでみてください。

目次

山形城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

山形空港から車・タクシーで約30分
 ▼レンタカーは以下
  ・日産レンタカー 山形空港店 0237-47-2311
  ・トヨタレンタリース山形空港店 0237-47-0100
  ・ニッポンレンタカー 山形空港 営業所 0237-47-1111
  ・オリックスレンタカー山形空港店 0237-53-6943

新幹線・電車で行く場合

新幹線「山形駅」から「霞城公園(山形城)」二の丸南門まで徒歩10分程度

車で行く場合

・山形空港方面からは、「東北中央自動車道」から山形中央ICで出て、県道49号に乗り向かいます。
・白石/仙台方面からは、「東北自動車道」「山形自動車道」経由し、山形蔵王IC 出口から馬見ガ崎さくらラインを目指します。
■山形城(霞城公園)、カーナビへのセットは以下の情報で!
「山形城跡(霞城公園)」
住所:山形県山形市霞城町1−7
場内に駐車場があります。

駐車場

「山形城跡(霞城公園)」
住所:山形県山形市霞城町1−7
霞城公園北門から入ると場内に2か所の駐車場があります。
料金は無料です。

山形城、最寄りの場所からのアクセス方法

山形駅から徒歩で向かいます。二の丸南門入口までは西口から徒歩で約10分。
二の丸東門入口までは東口から徒歩で約15分です。
南門からは、場内に入って散策すると短時間で見学できます。(1時間コース)
南門から散策を楽しみたい方は、南門から西門、北門へと水堀をぐるっとめぐり、東門の櫓群を楽しみながら場内を散策するルートをお勧めします。(2時間から3時間コース)
時間があれば、場内を出て、「最上義光歴史館」「文翔館」や「三の丸の土塁跡」を散策するといいでしょう。
(半日コース)

山形城を散策する

二の丸南大手門跡

山形城_二の丸南大手門東側の石垣
山形城_二の丸南大手門東側の石垣
山形城_二の丸南大手門石垣
山形城_二の丸南大手門石垣
山形城_二の丸内堀南西側
山形城_二の丸内堀南西側
山形駅から徒歩で向かうと10分ほどで南門付近に到着します。
山形城は南と東に大手門があり、二の丸や本丸内への往来はこの2つの門が担っていました。
南大手門は内桝形の虎口となっており、現在も巨大な石垣が両側にそびえています。

二の丸西不明門跡

山形城_二の丸西門
山形城_二の丸西門
山形城_二の丸西不明門跡
山形城_二の丸西不明門跡
山形城_二の丸西門の石垣2
山形城_二の丸西門の石垣2
南大手門を正面にしながら水堀に沿って左側に進んでいくと西不明門跡にでます。
城の西側は少し出っ張った形になり、角々で敵を迎撃するように作られています。
西側の門は「不明門(あかずもん)」の名の通り普段は人の往来がなく閉じられていたと考えられています。
(ちなみに北門も「不明門」)
南門から西門に向かう途中には、土塁と石垣の際のような場所があります。
門を櫓門にして防御力を高めるために門が配される角々に石垣が配される形は山形城に特徴的でその遺構がきれいに残ってますので確認してみてください。

二の丸北不明門跡

山形城_二の丸内堀西側の鉢巻土塁跡
山形城_二の丸内堀西側の鉢巻土塁跡
山形城_二の丸北門
山形城_二の丸北門
山形城_二の丸北門付近の石垣と土塁
山形城_二の丸北門付近の石垣と土塁
西門から土塁に囲まれた水堀を左に進むと北不明門跡になります。
途中には、鉢巻土塁という下が石垣、上が土塁となる構造が垣間見えますので探してみてください。
(鉢巻土塁は江戸城、岡崎城、彦根城でもその形状がはっきり確認できます。)
山形城の北側は実は一番高い場所になり、三の丸、二の丸、本丸と向かうに従ってやや低くなる穴城という珍しい構造になっています。
北門から二の丸場内に入ると駐車場や山形市郷土館などがあります。

二の丸東大手門

山形城_二の丸東大手門2
山形城_二の丸東大手門2
山形城_二の丸続櫓
山形城_二の丸続櫓
山形城_二の丸櫓門
山形城_二の丸櫓門
北門から東門までは水堀沿いには進めませんのでいったん大きな通りに出て向かうことになります。
これは、二の丸東側は水堀沿い南北に鉄道が通っているためで南門側から右に回り込む際も同様です。
城の東側はメインストリートになっていて東大手門付近には、山形美術館や最上義光歴史館もあり、広い駐車場もあります。
東大手門は、2つの隅櫓と高麗門、続櫓門で構成されている壮麗な門です。
本丸一文字門同様に、当時の絵図を参考にしながら忠実に再建されました。
櫓門部分の内部は一般公開しています。当時の城の模型や資料が展示され、石落としものぞけます。
山形城_二の丸北櫓2
山形城_二の丸北櫓2
山形城_二の丸櫓門4
山形城_二の丸櫓門4
山形城_二の丸櫓門内部2
山形城_二の丸櫓門内部2

二の丸と最上義光像

山形城_二の丸東大手門の土塀(内側から見た)
山形城_二の丸東大手門の土塀(内側から見た)
山形城_最上義光像と二の丸東大手門2
山形城_最上義光像と二の丸東大手門2
山形城_二の丸
山形城_二の丸
櫓門を抜けると二の丸です。
園内はきれいに整備されていて、櫓門の入口へと続く石段を上って眺めるときれいに本丸までのぞけます。
二の丸内には山形を50万石以上の大藩へと導いた最上義光像があり、櫓門をバックにした馬上の義光像は非常にかっこいいです。

本丸一文字門と本丸内

山形城_本丸一文字門3
山形城_本丸一文字門3
山形城_本丸の土塁と石垣の境目
山形城_本丸の土塁と石垣の境目
山形城_本丸
山形城_本丸
二の丸のベンチを抜けるときれいな土塁で囲まれた本丸が見えてきます。
左に折れて進むと本丸一文字門が姿を現します。
木橋をわたると白と茶色に瓦のグレーが美しい高麗門が見えてきます。
門をくぐると桝形虎口となり、右に折れて進むむと本丸入り口の大きな石垣が両端にそびえます。
本丸内部は現在(2022年夏時点で)は整備中ですが、今後、当時の御殿をのぞけるVRや各種イベントが行える広場になるようです。

最上義光歴史館

山形城_最上義光歴史館3
山形城_最上義光歴史館3
二の丸東大手門を出ると左手に最上義光歴史館があります。
散逸の危機にあった最上家にまつわる文献や武具その他歴史的な調度品を後世に残そうと山形新聞グループと山形市が中心となって建設した企業博物館です。
義光が愛用したとされる兜や最上家に伝わる刀剣、文献の数々が閲覧できます。

文翔館

山形城_文翔館(旧県庁者と会議事堂)
山形城_文翔館(旧県庁者と会議事堂)
山形城_文翔館9(内部)
山形城_文翔館9(内部)
山形城_文翔館1
山形城_文翔館1
文翔館は、「山形県旧県庁舎及び県会議事堂」を修復・利活用している施設の愛称で、国の重要文化財に指定されています。明治初期に建てられた山形県庁舎で1911年に一度は焼失したもの、再建され現在まで明治時代の面影を伝える貴重な建物です。レンガ造りの会議事堂と白亜の県庁舎が並列に並んでいて県庁舎脇には小さな庭園もあります。内部は閲覧可能ですのでぜひ足を運んでみてください。

三の丸土塁跡

山形城_三の丸土塁跡2
山形城_三の丸土塁跡2
三の丸土塁跡は、三の丸北東部にあった土塁の後で南北60m、東西30mほどの長さで残っています。
高さは最高で8mもあり当時の城の強固さがうかがえます。このほかにも山形市内で城の整備工事が行われ、他の土塁跡や三の丸門跡の発掘も行われています。(2022年夏時点)

山形城のトリビア

山形城は別名「霞城」(かじょう)とも呼ばれていますが、なぜ霞(かすみ)の城なのか?
実は、1600年かの有名な関ケ原合戦が岐阜と滋賀の県境付近で行われている最中、東北地方でも激しい戦いが行われていました。そう慶長出羽合戦です。
戦いは、最上・伊達の東軍と上杉の西軍で争われ、最上軍は上杉軍の猛攻で山形市まで進軍されました。
しかし、この時霞がかかって城が見えなくなり上杉軍が苦戦した。ということから名づけられたとされます。
・山形城は北東に向かって高くなるため、南から進軍してきた上杉軍はより低地にあったこと
・山形城のある地域(山形市)が西と北東を山に囲まれた盆地であったため霧(=霞)がかかりやすい地形であったため
と考えられます。
実は全国には霞城、霞が城がたくさんあります。(有名どころでは、丸岡城や掛川城など)
ぜひ全国の霞城を制覇してみてください。

山形城の御城印と百名城スタンプ

御城印販売場所

なし

日本100名城スタンプ設置場所

1. 二ノ丸大手門櫓内
住所:山形県山形市霞城町1−7
開館時間:月曜日、祝日と重なる場合はその翌日
9:30~16:00(時期により異なる)
入館料:無料

2. 山形市郷土館
住所:山形県山形市霞城町1−1
電話: 023-644-0253
開館時間:9:00~16:30
休館日:年末年始
入館料:無料

3. 最上義光歴史館
住所:山形県山形市大手町1−53
電話: 023-625-7101
開館時間:9:00~16:30
休館日:月曜日、年末年始
入館料:無料

山形城の入城情報

所在地

住所:山形県山形市霞城町1

開城時間

5:00~22:00

休城日

年末年始

料金

無料

製作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。