藤堂高虎が築城!海賊取締りのための海城
今治城 天守
今治城 天守

今治城の見どころとイベント

今治城 藤堂高虎像
今治城 藤堂高虎像
今治城 御金櫓(東隅櫓)
今治城 御金櫓(東隅櫓)
今治城 天守から見た瀬戸内海
今治城 天守から見た瀬戸内海
今治城は愛媛県今治市の今治港南側にある平城です。江戸時代初期に「築城の名人」として知られる藤堂高虎が築いた城です。日本百名城の1つであるとともに、香川県の高松城と大分県の中津城と並ぶ「日本三大水城」としても知られています。

今治城は「吹揚城(ふきあげじょう)」の別名でも呼ばれています。城が築かれた場所が「砂が吹き上げられてできた浜」である吹揚の浜だったことが由来です。

今治城は瀬戸内海に面した浜のすぐ近くに築かれています。築城当時三重の堀があり、堀は瀬戸内海と繋がっていました。海のすぐ近くだったことから、水上交通の発展や船を使った海戦に備えるためです。一方城の築かれた場所は地盤がかなり軟弱でした。高虎は地盤を強化するために、堀沿いに設けた石垣に沿う形で「犬走り」と呼ばれる平地も設けています。

今治城跡は1953(昭和28)年に主郭部跡と内堀が愛媛県の史跡に指定されました。そして1980(昭和55)年に天守閣・多門櫓・武具櫓が再建されたことを皮切りに、その後約30年かけて東隅櫓・山里櫓・鉄御門(くろがねごもん)も復元されます。2006(平成18)年には日本城郭協会より、日本百名城の1つに選ばれています。

今治城は内堀越しに見える5層の天守や城門・櫓が美しく映えているのが見どころです。また現在残っている内堀も、国内ではなかなか見られない海水を引き込んだ堀として見ごたえがあります。

目次

今治城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

松山空港から今治城までは車やタクシーで約1時間10分
▼レンタカーは以下
・トヨタレンタカー 松山空港店 TEL:089-972-6100
・オリックスレンタカー 松山空港カウンター TEL:089-905-6388
・ニッポンレンタカー 松山空港店 TEL:089-973-6811
・日産レンタカー 松山空港店 TEL:089-974-2341
・タイムズカー松山空港店 TEL:089-972-8371

▼公共交通機関利用の場合
JR松山駅・伊予鉄道松山市駅行きの空港リムジンバス・せとうちバス利用で約2時間15分、「今治桟橋」バス停下車後徒歩約13分
空港リムジンバス・せとうちバスの時刻表は以下のリンクを参照ください
空港リムジンバス
せとうちバス

新幹線・電車で行く場合

JR予讃本線:今治駅下車
・今治駅よりせとうちバス利用、「今治城前」バス停下車徒歩約6分

車で行く場合

瀬戸内しまなみ海道(西瀬戸自動車道)今治北インターより車で約15分、今治小松自動車道今治湯ノ浦インターから車で約20分
・今治北インターより:国道317号線を今治市中心部方面に直進→愛媛県道14号線を道なりに進んでください
・今治湯ノ浦インターより:国道196号線を今治市中心部に進み、「長沢」交差点で右折→右折後の道路(産業道路)を直進してください

駐車場

今治城には周辺に駐車場があります。詳しい情報は以下の通りです。

・今治城第1駐車場
場所:愛媛県今治市中区通町3-1-3
利用時間:9:00~17:00
料金:1時間100円
収容台数:普通車56台
TEL: 0898-31-9233(今治市役所文化振興課)

今治城、最寄りの場所からのアクセス方法

今治城へはJR今治駅からバスを使い、「今治城前」バス停から歩いて6分です。堀沿いに駐車場方面に歩き、駐車場の手前で右折して鉄(くろがね)御門に向かいます。
車の場合は手前の今治城第1駐車場で停めるのがおすすめです。

以下では鉄御門・多聞櫓・武具櫓から御金櫓に行き、天守閣を見た後、山里櫓や高麗門(裏高麗門)、内堀に向かうルートで解説していきます。

今治城と城下町を散策する

鉄御門・多聞櫓・武具櫓

今治城 鉄御門
今治城 鉄御門
今治城 多門櫓
今治城 多門櫓
治城 多門櫓と武具櫓
治城 多門櫓と武具櫓
鉄御門は今治城北東側にある門です。二の丸の表門で、南の多聞櫓と北の武具櫓と一体となっています。門は1871(明治4)年に取り壊されましたが、2007(平成19)年に再建されています。内部も公開されており、鉄御門と武具櫓ではビデオや人型パネルを使って虎口の特徴や防御の方法について解説されています。また多聞櫓は自然科学館になっており、魚貝類の標本や鳥のはく製などが主な展示品です。

門と2つの櫓とで堅固な虎口を形成しているのが特徴です。もともと手前に高麗門もあり、2つの門と周りの多聞櫓とで枡形虎口が形成されていました。敵が攻め込んできても、北にある門の上の櫓と西・南の多聞櫓の三方から敵を狙撃できるようになっていました。枡形虎口は江戸城・徳川期大坂城(豊臣氏滅亡後に再建されたもの)・駿府城などでも見られますが、今治城にあるものが全国で初めて取り入れられたものです。また門には短冊状の黒い鉄板が打ち付けてあります。江戸時代には格式の高い城の門にのみ許された意匠で、藤堂高虎が徳川幕府から受けていた信頼の絶大さを示す点です。

なお門の左脇には「勘兵衛石」と呼ばれる一際大きな石が埋め込まれています。今治城の普請を担当した渡辺勘兵衛にちなんだもので、縦約2.4m・横約4.6mで重さは約16.5トンに及びます。ただ石の大きさとは裏腹に厚さは約60㎝程度です。城の権威を示すために埋め込まれたと考えられています。

御金櫓

今治城 天守と御金櫓
今治城 天守と御金櫓
御金(おかね)櫓は現在の今治城城郭で最も東側にそびえる櫓です。名前の通り、城内の金銭を保管するための金蔵として使われていました。御金櫓も明治時代の廃城後に取り壊されましたが、1985(昭和60)年に再建されています。現在では現代美術館として公開されており、地元出身の作家の作品が展示されています。

天守閣

今治城 天守閣入口
今治城 天守閣入口
天守閣は本丸にそびえる建物です。当初は城が完成した際、5層からなる日本初の層塔型天守として建てられていました。しかし高虎が幕府の命で丹波亀山城の普請を担当した際に解体され、同城に移築されたと伝わっています。移築後は本丸北隅櫓を代わりに用いていましたが、明治時代に破却されました。

現在そびえている天守閣は、1980(昭和55)年にかつて北隅櫓があった場所に再建されたものです。移築先である丹波亀山城の天守閣の古写真や平面図がもとになっています。5層6階のコンクリート建てで、2~5階は城の歴史を解説する博物館です。2階には今治藩で所蔵されていた武器や甲冑を、3階では古文書を、5階では全国の城郭の写真を展示しています。最上階の6階は展望台になっており、今治市街が見えるほかにも北に来島海峡大橋や大島が、南側に石鎚連峰が望めるのが魅力的です。

山里櫓

今治城 山里櫓と天守
今治城 山里櫓と天守
山里櫓は天守閣の北西にそびえる二重櫓です。「山里」と呼ばれる庭園の付近に設けられたことが名前の由来とされています。1990(平成2)年に再建され、現在内部は古美術の博物館として公開されています。すぐ隣に上部に櫓を備えた2階建ての門が併設されている点も特徴です。

高麗門(裏高麗門)

高麗門(裏高麗門)は、今治城の西側の門です。かつて鉄御門手前に立っていた高麗門から見て裏側に位置するため、「裏高麗門」とも呼ばれています。門の外は橋を通じて内堀を渡れるようになっています。

内堀

今治城 内堀
今治城 内堀
内堀はかつて今治城に掘られた3重の堀で最も内側にあったものです。約60mもの幅を誇るとともに、水もすぐ近くの瀬戸内海から直接引き込んでいるのが特徴となっています。瀬戸内海の海上交通を監視するとともに、船での戦にも対応できるようにする目的がありました。なお海水を引き込んでいるため、現在でも堀をサメが泳いでいる様子が見られる場合もあります。

内堀は城の主郭部を囲んでおり、主郭部は9~13mもの高い石垣の上に設けられています。石垣は地盤の弱い場所に設置されていたため、基礎を強化する意味で「犬走り」と呼ばれる平地が石垣沿いに設けられているのも特徴です。

今治城の御城印と百名城スタンプ

今治城の御城印

今治城では御城印を販売しています。
今治城ミュージアムショップ
住所:〒794-0036 愛媛県今治市通町3-1-3
TEL:0898-31-9233(今治城管理事務所)
料金は1枚300円です。

今治城の日本百名城スタンプ

日本百名城スタンプは以下で希望者にのみ貸し出しとなります。
今治城天守閣1階
住所:〒794-0036 愛媛県今治市通町3-1-3
TEL:0898-31-9233(今治城管理事務所)
 開館期間:年中無休(12月29日~31日は除く)
 開館時間:3~11月:9:00~17:00(入館は16:30まで)
      12~2月:9:00~16:30(入館は16:00まで)

今治城の入城情報

所在地

住所:愛媛県今治市通町3-1-3
TEL:0898-31-9233(今治市文化振興課)

開城時間

9:00~17:00

休城日

12月29日〜31日

料金

個人:一般520円、高齢者(65歳以上)420円、学生260円、高校生以下または18歳以下無料
団体割引(20名以上):一般420円、学生210円
※天守・御金櫓・山里櫓・鉄御門・武具櫓の共通料金

製作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。