鉄とともに生きた尼子氏の難攻不落巨大山城
月山富田城 本丸
月山富田城 本丸

月山富田城の見どころとイベント

月山富田城 袖が平からの眺望(入口から続く段々の曲輪群)
月山富田城 袖が平からの眺望(入口から続く段々の曲輪群)
月山富田城 山中御殿跡の石垣(七曲り階段の入口)
月山富田城 山中御殿跡の石垣(七曲り階段の入口)
月山富田城 二の丸からの眺め2
月山富田城 二の丸からの眺め2
月山富田城と言えば、銑鉄づくりで得た利益を基に作られた巨大な山城の曲輪群。
力攻めでは落ちることがなかった城郭とそこに生きた尼子一族の栄枯盛衰の歴史は、城好きならずもロマンを感じます。
北と東を飯梨川とその支流に、南と東には中国山地の険しい山々に守られた天然の要害で、北の川沿いに城下町が形成され、千畳平や山中御殿平といった居館エリアと七曲りと評される険しい登城道を上った標高180mを超える月山の頂上に作られた本城エリアは圧巻です。
居館エリアは、千畳平や花の壇などの郭群と、山中御殿跡の石垣や土塁群を見ることができます。
また、途中には悲運の武将、山中鹿之助が月向かって尼子家再興を祈願したとられる像があります。歴史好きにはムネアツです。
本城エリアは、山中御殿跡裏にある急峻な坂道を上ったところにあり、三の丸からは、城の郭や外堀のような飯梨川の姿がはっきりと見えます。
現存する建物はありませんが、各郭はきれいに整備され、山の峰々を活用して作られた当時の城の曲輪や井戸、石垣、土塁がきれいに保存されています。城の近くには世界一の名園「足立美術館」があります。
ぜひ両方見学してみてください。

目次

月山富田城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

米子空港から車・タクシーで約42分
 ▼レンタカーは以下
  ・日産レンタカー 米子空港店 0859-47-2232
  ・トヨタレンタカー米子空港店 0859-45-0913
  ・ニッポンレンタカー 米子空港 営業所 0859-45-0913
  ・オリックスレンタカー米子空港店 0859-46-0400
出雲縁結び空港から車・タクシーで約45分
 ▼レンタカーは以下
 トヨタレンタリース TEL:0853-72-8808
 ニッポンレンタカー TEL:0853-72-0919
 タイムズカー TEL:0853-72-7117
 カースタレンタカー TEL:0853-27-9901
 日産レンタカー TEL:0853-72-8823
 オリックスレンタカー TEL:0853-72-7219

新幹線・電車で行く場合

JR安来駅で下車。安来駅から足立美術館まで無料のシャトルバスに乗り、足立美術館で下車。
そこから入口となる安来市立歴史資料館までは徒歩で約30分
あるいは、足立美術館からタクシーに乗り約5分ほどで大手門付近の無料駐車場を目指すのもあり。

車で行く場合

・鳥取/米子方面からは、「山陰自動車道」から安来ICで出て、国道9号/安来/伯太/広瀬 方面に向かいます。
・出雲/松江方面からは、「東名高速道路」から東出雲IC 出口から 国道9号/米子方面に向かいます。
■月山富田城、カーナビへのセットは以下の情報で!
「月山富田城無料駐車場」
※三の丸~本丸の山頂本城部分のみの見学の場合にお勧め(1時間程度)
住所:島根県安来市広瀬町富田
あるいは、
「安来市立歴史資料館」
※千畳平や花の壇といった古郭から三の丸~本丸の山頂本城をフル見学したい場合にお勧め(2時間程度)
住所:島根県安来市広瀬町町帳752

駐車場

「月山富田城無料駐車場」
住所:島根県安来市広瀬町富田

月山富田城、最寄りの場所からのアクセス方法

月山富田城へは、「足立美術館」を経由地にして向かうと比較的便利でしょう。
足立美術館へはシャトルバスが1時間に2本程度出ていますのでそれで向かい、
美術館からは、タクシー又は徒歩で向かいます。
向かう先は大きく2つ。
・全体をじっくり散策したい方は、安来市立歴史資料館を目指します。タクシーだと数分程度、徒歩だと約30分
・本城エリアのみを散策したい方は、月山富田城無料駐車場を目指します。タクシーだと5分ほど、徒歩だと50分 ほどです。
※御城印や百名城スタンプは歴史資料館にあります。

月山富田城を散策する

千畳平~花の壇

月山富田城_広瀬道の駅と安来市立歴史資料館
月山富田城_広瀬道の駅と安来市立歴史資料館
月山富田城_山中鹿之介祈月像
月山富田城_山中鹿之介祈月像
月山富田城_花ノ壇
月山富田城_花ノ壇
安来市立歴史資料館を、出て山側に進むとこのエリアです。
見どころは、
・馬場跡→千畳平→太鼓壇→奥書院平→花ノ壇
と続く階段状の曲輪群
・厳倉寺山門
・山中鹿之助の祈月像
・花ノ壇の母屋と侍所
と建造物です。
山中鹿之助の祈月像は少し離れた場所にありますが人気のスポットですので有名な像の姿を写真に治めてください。

山中御殿跡

月山富田城 山中御殿跡
月山富田城 山中御殿跡
月山富田城 山中御殿跡への大手門石垣
月山富田城 山中御殿跡への大手門石垣
階段状に続く曲輪群を抜けるとひときわ大きな場所に出ます。
無料駐車場から来られた方は、大手門石垣の脇を登った場所にあります。
山中御殿は、城主の御殿のあった場所で山城とは思えない非常に広い敷地です。
南西(無料駐車場から来られた方はこちら)には大手門石垣、北東には多門櫓石垣跡があり、北には大きな溜池もあります。

七曲りから本城

月山富田城 七曲り階段
月山富田城 七曲り階段
山中御殿跡奥には石垣群があり石段があるのでここを登って本城エリアに向かいます。
本城エリアは、いわゆる詰めの城と呼ばれ、短期間の籠城もしくは城主が自害する時間を稼ぐための城で、山中御殿跡からこの本城エリアまでは七曲りと呼ばれる急峻な山道が続きます。急がずにゆっくりとでいいので一定の歩調で登っていきましょう。

三の丸

月山富田城 袖が平
月山富田城 袖が平
月山富田城 三ノ丸の石垣2
月山富田城 三ノ丸の石垣2
月山富田城 三ノ丸
月山富田城 三ノ丸
七曲りを登りきると最初に目に飛び込んでくるのは、袖が平と三の丸の石垣群です。
石垣は横に伸び、山の上に作られたものとは思えない堅牢な雰囲気です。
これをさらに進むと三の丸。
三の丸からは、きれいに段々に並ぶ居館エリアの曲輪群が一望できます。

二の丸

月山富田城 二の丸
月山富田城 二の丸
月山富田城 二の丸からの眺め
月山富田城 二の丸からの眺め
三の丸を奥に進むと二の丸です。三の丸より一段高い位置にあり、飯梨川や中海、さらには日本海が一望できます。現在発掘が進み、井戸跡の他に住居用の柱穴や当時使われていた備前焼の陶器のかけらも発掘されています。

本丸

月山富田城 二の丸石垣と堀切(本丸から見た)
月山富田城 二の丸石垣と堀切(本丸から見た)
月山富田城 本丸 勝日高守神社
月山富田城 本丸 勝日高守神社
二の丸と本丸の間には大きな堀切があり直接登れません。一度堀切におり、そこから登って本丸を目指します。
現在、本丸には勝日高守神社があります。
勝日高守神社は、古事記に記載されているほど歴史の長い神社で、この月山一帯に築城しようとした平景清が恐れおおくてそのお社を里宮として丁重に移したほどでした。(現在の「富田八幡宮」)
城主の尼子氏も信仰に厚く、山頂の奥宮であるこの勝日高守神社を熱心に信仰したようです。

足立美術館

足立美術館 入口
足立美術館 入口
足立美術館 亀鶴の滝
足立美術館 亀鶴の滝
足立美術館 苔庭
足立美術館 苔庭
月山富田城への散策の拠点ともなる「足立美術館」には世界の名園に二度選ばれたことがある日本随一の近代庭園と、廬山人や横山大観といった近代画家の巨匠が描いた作品が展示されています。
昭和45年に、地元出身の実業家、足立全康が私財を投じて造った美術館には、世界の要人をも魅了する庭園がきれいに整備されています。
まるで絵画のようだ評される「生の額絵」、掛け軸と見まがうほどの「生の掛軸」と「茶室 寿楽庵」の「双幅の生の掛軸」など出雲の山々を借景にした美しい庭園散策ができます。
美術館内には所蔵品2000点を超えるといわれる貴重な美術品の一部が飾られており、横山大観をはじめ、竹内栖鳳、上村松園、橋本関雪、榊原紫峰らの絵画を中心に四季折々で開催される特別展にて拝観することができます。
足立美術館 枯山水庭
足立美術館 枯山水庭
足立美術館 生の額絵
足立美術館 生の額絵
足立美術館 生の掛け軸
足立美術館 生の掛け軸
足立美術館 喫茶室「翠」からの眺め
足立美術館 喫茶室「翠」からの眺め
足立美術館 池庭
足立美術館 池庭

月山富田城のトリビア

15世紀の山陰、中国地方はまさに尼子氏の時代といっても過言ではないでしょう。
元々源氏の末裔「佐々木氏」の一族であり、出雲国守護代であった尼子氏がなぜ、現在の島根県、鳥取県と岡山・広島・兵庫県の一部を有する大大名になったのか。
その力の源が「鉄」と「中海」を使った貿易権益でした。
「鉄」は刀剣や鉄砲を作るために必要不可欠な素材であり、その多くがこの山陰の山々からとれる鉄鉱石や砂鉄でした。映画「もののけ姫」を髣髴とする鉄の精錬所「たたら場」が数多くあり、月山富田城の周りを往来するように、広瀬清水街道、母里法勝寺往還、安来阿井往還、広瀬末次往還といった「鉄」を運ぶ街道や往還が数整備されました。
また、鉄を運ぶための水運も発達。重い鉄を数多く運ぶためには「中海」「日本海」沿岸を伝って近江国へ運ぶ海運力も重要で、こうした物流力も尼子氏が11か国もの領国を支配していく力になりました。
鉄で栄えた尼子氏の時代を経て、鉄を巡る旅はその造園技術という形で残ります。
武器を生む鉄は江戸時代には生活を支える「ハサミ」に活用され、その技術は街道を伝い、出雲国の美しい風景とともに造園という形で今も息づきます。
足立美術館の日本庭園をはじめ、佳翠苑皆美、皆美館、長楽園、平田本陣記念館の枯山水、由志園、康国寺庭園
等、島根に名園が多いのは偶然ではないのです。

月山富田城の御城印と百名城スタンプ

御城印販売場所

「安来市立歴史資料館」
※千畳平や花の壇といった古郭から三の丸~本丸の山頂本城をフル見学したい場合にお勧め(2時間程度)
住所:島根県安来市広瀬町町帳752
開館時間:9:30~17:00
TEL:0854-32-2767
料金:300円
※道の駅も併設しているのでお土産選びにもおすすめ

日本100名城スタンプ設置場所

「安来市立歴史資料館」
※千畳平や花の壇といった古郭から三の丸~本丸の山頂本城をフル見学したい場合にお勧め(2時間程度)
住所:島根県安来市広瀬町町帳752
開館時間:9:30~17:00
※道の駅も併設しているのでお土産選びにもおすすめ

月山富田城の入城情報

所在地

住所:島根県安来市広瀬町富田
※月山富田城無料駐車場の住所です。

開城時間

24時間

休城日

無休

料金

無料

製作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。