信長が天下を夢見た山頂の天守と美しい庭園
岐阜城 二の丸土塀と天守
岐阜城 二の丸土塀と天守

岐阜城の見どころとイベント

岐阜城 入城門と若き日の信長像
岐阜城 入城門と若き日の信長像
岐阜城 天守(二の丸から見た)
岐阜城 天守(二の丸から見た)
岐阜城 展望台からの眺め
岐阜城 展望台からの眺め
岐阜城の見どころは金華山山頂にある城郭と山麓にある岐阜公園や信長居館跡です。
金華山は、長良川沿いにある山で市内から突如現れたように聳え、山頂に岐阜城の天守がかすかに見えます。
緑の上に現れる天守と中腹にある朱塗りの三重塔のコントラストは絶景です。
岐阜城の建物は、本丸にある天守閣(模擬天守)が最も代表的です。また天守閣のすぐ東側には隅櫓を模した岐阜城資料館もあります。二の丸には土塀も復元されており、往時の城の姿を想像する際に役立つでしょう。
入城門のある山麓には岐阜公園が整備され、瞑想の小径を進むと、山内一豊と千代が婚礼した場所にある幻想的な庭園、そして織田信長の居館跡があります。居館跡は現在も発掘調査が続いていますが、石垣跡や庭園跡が整備され、三重塔も建てられ非常に見ごたえがあります。
信長が暮らした居館跡から庭園・三重塔までは朱塗りの橋に滝が流れ、当時天下を目指しここに暮らした信長の姿が随所に目に浮かんできます。
岐阜城のイベントとして代表的なものが、「岐阜城パノラマ夜景」です。岐阜城天守閣からの眺望の良さを生かしており、眼下の美しい夜景を見渡せます。開催期間は毎年ゴールデンウィーク・7月後半・8月・9月~10月前半の土日祝日です。
山頂の城郭内には眼下の夜景を見ながら食事も楽しめるレストランがあります。ぜひ足を運んでみてください。

目次

岐阜城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

中部国際空港より車・タクシーで約1時間30分
▼レンタカーは以下
トヨタレンタリース 中部国際空港店 TEL:0569-38-0100
ニッポンレンタカー 中部国際空港営業所 TEL:0569-38-8560
タイムズカー 中部国際空港店 TEL:0569-38-7055
オリックスレンタカー 中部国際空港カウンター TEL:0569-38-7760
日産レンタカー 中部国際空港 TEL:0569-38-1123

中部国際空港よりバス・電車で約2時間20分
最寄り駅:JR・名鉄岐阜駅よりバス利用で約4分、「岐阜公園歴史博物館前」バス停下車後金華山ロープウェーで約4分、山頂駅より徒歩約8分
※金華山ロープウェーの料金(往復)は大人(12歳以上)1,100円、子供(3~11歳)550円

電車で行く場合

JR・名鉄岐阜駅よりバス利用で約4分、「岐阜公園歴史博物館前」バス停下車後金華山ロープウェーで約4分、山頂駅より徒歩約8分

車で行く場合

東海北陸自動車道岐阜各務原(ぎふかがみはら)I.C.より車で約25分
国道21号線を大垣市方面に進み、「岐南インター」→国道156号線・岐阜県道77号線・287号線を進んで、岐阜公園堤外第1・第2駐車場に車を停めてください。

駐車場

・岐阜公園堤外第1駐車場
場所:岐阜県岐阜市御手洗
利用時間:8:30~21:00
料金:1回310円
収容台数:普通車143台
TEL:058-265-4141(岐阜市公園整備課)

・岐阜公園堤外第2駐車場
場所:岐阜県岐阜市湊町
利用時間:8:30~21:00
料金:1回310円
収容台数:普通車36台
TEL:058-265-4141(岐阜市公園整備課)

岐阜城、最寄りの場所からのアクセス方法

今回は、岐阜公園第一駐車場から岐阜公園の庭園と織田信長の居館跡を散策し、ロープウェイを使って山頂から城郭巡りを行うルートでご紹介いたします。

岐阜城を散策する

岐阜公園

岐阜城 入城門
岐阜城 入城門
岐阜城 織田信長居館跡、三重塔
岐阜城 織田信長居館跡、三重塔
岐阜城 岐阜公園(瞑想の小径入口)
岐阜城 岐阜公園(瞑想の小径入口)
駐車場に車を止め、すぐに見える入城門に向かいます。隣には若き日の信長像もあります。
門からは山頂の天守と朱塗りの三重塔が見えます。
公園内の管理施設を見ながら進むと公園内、瞑想の小径です。
緑の木々とともに所々に松明を模した電灯が設置されています。

山内一豊と千代、婚礼の地(庭園)

岐阜城 庭園
岐阜城 庭園
岐阜城 山内一豊と千代婚礼の地付近の庭園
岐阜城 山内一豊と千代婚礼の地付近の庭園
岐阜城 岐阜公園内、庭園の滝
岐阜城 岐阜公園内、庭園の滝
山内一豊と千代は夫婦仲がいいので有名です。千代の出身は諸説ありますが美濃国(現在の岐阜県)、郡上八幡を領国に活躍した遠藤氏の娘との説が有力で、信長の家臣であった一豊とはこの美濃国で縁があったようです。園内ロープウェイの入り口近くにはモニュメントもあり静寂な空気に包まれた庭園も隣接しています。

信長居館跡

岐阜城 織田信長居館跡入口
岐阜城 織田信長居館跡入口
岐阜城 織田信長居館(復元CG)
岐阜城 織田信長居館(復元CG)
岐阜城 織田信長居館内にある庭園跡と三重塔
岐阜城 織田信長居館内にある庭園跡と三重塔
信長居館跡は金華山の西側の麓、千畳敷下・槻(けやき)谷にあった居館の跡です。もともと道三以来の斎藤氏3代の当主が住んでいました。織田信長が移り住んだ際に大々的に改修工事を行い、1600(慶長5)年の落城時まで使われたと考えられています。1984(昭和59)年から4度にわたって発掘調査が行われた後、復元整備されました。
発掘調査では信長時代に建てられた館の実像が明らかにされています。館の入口部分は巨石の配列で形成されており、通路の両脇も人の背丈程度の高さで石が並んでいました。建物についても金箔を用いた瓦が出土したことから、壮麗な建物が建っていたと考えられています。
また建物の北側には壮大な庭園もあり、巨大な岩盤を背景にして中央に大きな池が広がっていたのが特徴です。加えて岩盤には2本の滝が流れていたことも明らかになっています。

一ノ門跡

岐阜城 伝一の門跡
岐阜城 伝一の門跡
ロープウェー乗り場でおり、右手の道を進むと一ノ門跡です。近くには巨石や石垣が倒れている様子が見えます。近年の発掘調査で岩盤の高まりの周りに石垣や巨石石垣を設け、折れ曲がった通路を設けていたことが明らかにされました。同じ構造は岐阜県山県市にあった美濃守護土岐氏の居城・大桑(おおが)城の岩門にも見られます。かつて土岐氏に仕えていた斎藤道三が稲葉山城を改修する際、大桑城の岩門を参考にしたと考えられています。

堀切(切通)

岐阜城 堀切(切通)
岐阜城 堀切(切通)
一ノ門を越えると切通しが見えてきます。
切通しは岩盤を掘削した竪堀のようなもので、普段は両端に橋をかけ有事には橋を破壊して敵の侵入を食い止めていました。

二ノ門跡

岐阜城 伝二の門、台所跡
岐阜城 伝二の門、台所跡
二ノ門跡は岐阜城二の丸の入口に建っていたとされる門の遺構です。折れ曲がった枡形虎口になっていて、1600(慶長5)年の岐阜城攻防戦では激戦地となりました。古写真から廃城されて主要な建物が取り払われた後も、通路の遺構はかつての姿で残ったとされています。一ノ門と同じく折れ曲がりが見られる枡形の通路が特徴的で、門の左右には巨石による石垣があります。

石垣群

岐阜城 本丸の石垣
岐阜城 本丸の石垣
岐阜城 本丸石垣と天守(本丸井戸付近から見た)
岐阜城 本丸石垣と天守(本丸井戸付近から見た)
岐阜城 二の丸石垣
岐阜城 二の丸石垣
本来は大きな谷となっている場所ですが、谷をつなぐように両側に石垣を築き、通路状の平坦地を設けています。岐阜城跡に現存する石垣の中では、最も当時の姿をとどめています。

井戸

岐阜城 岐阜公園内にある岐阜城の井戸
岐阜城 岐阜公園内にある岐阜城の井戸
岐阜城 二の丸井戸跡
岐阜城 二の丸井戸跡
岐阜城 本丸井戸
岐阜城 本丸井戸
岐阜城には三か所井戸があります。居館近くにある井戸と山頂の城郭内にある2つの井戸です。
居館近くの井戸は普段の生活に、城郭内の井戸は籠城したときに雨水を貯めておくための井戸でした。
岐阜城は山城で難攻不落のイメージがありますが、5~7回落城しているといわれます。
これは、各郭が小さくて大勢の人数が詰められないという点と、水が湧き出ないため水を絶たれると降伏せざるを得ないから、といわれています。

天守閣・天守台(信長時代)

岐阜城 天守(近景)
岐阜城 天守(近景)
岐阜城 織田信長の鎧(天守内)
岐阜城 織田信長の鎧(天守内)
岐阜城 天守台の石垣.
岐阜城 天守台の石垣.
岐阜城で最も代表的な見どころが天守閣と天守台です。現在建っているものは1956(昭和31)年に岐阜城再建期成同盟の手で復興されました。3層4階建ての鉄筋コンクリートの建物で、内部は1~3階は資料展示室、4階が展望台になっています。なお展示されている資料は信長時代のものが中心です。
また信長時代の天守台は、2019(平成31/令和元)年末に行われた発掘調査で発見されました。信長が生きていた時代の石垣に見られる間詰め石(隙間に埋める小さい石)が見られたのが特徴です。加えて下には石垣がもう一段見つかっており、信長が美濃を制圧する前に居城としていた小牧山城に使われた高石垣の存在が考えられています。

岐阜城天守閣からの眺め

岐阜城 天守からの眺め(長良川と岐阜市の町並み)
岐阜城 天守からの眺め(長良川と岐阜市の町並み)
岐阜城 天守からの眺め(復元CG)
岐阜城 天守からの眺め(復元CG)
岐阜城 天守最上階の広間(復元CG)
岐阜城 天守最上階の広間(復元CG)
岐阜城天守閣の最上階にある展望台は、外に見える眺望を楽しめます。四方を見渡せるため、360度の絶景パノラマを楽しめるのが特徴です。
すぐ下の方には長良川や岐阜の街並みが、先には濃尾平野も一望できます。天気が良ければ名古屋の高層ビル群や伊勢湾まで見えるほどです。加えて東に恵那山や木曾御岳山、北に乗鞍岳など北アルプスの山々、西に伊吹山といった岐阜周辺の名峰も望めます。雄大な自然を一望できるため、岐阜城を拠点に天下を狙った信長に、思いを馳せることができるでしょう。
なお時期によって天守閣の夜間公開も行われているため、夜景も楽しめます。岐阜市内だけでなく遠く名古屋の街並みの光も確認でき、車やビル群の放つ光に感動します。また毎年夏には花火大会も催され、眼下で花火が打ち上がるさまも見られます。

隅櫓(岐阜城資料館)

岐阜城 岐阜城資料館
岐阜城 岐阜城資料館
隅櫓は岐阜城天守閣のすぐ東隣りにある建物です。天守閣から見ると一段下がった場所にあります。1973(昭和48)年に岐阜を舞台にした大河ドラマ『国盗り物語』の放映を機に復元工事が行われ、1975(昭和50)年に落成しました。
もともと武器庫や兵糧庫として使われていたものを、隅櫓城郭造りに復元したものです。なお復元の際は滋賀県の彦根城にある隅櫓を参考にしています。内部は岐阜城資料館として公開されており、岐阜城関係の資料が見られるようになっています。

岐阜城の御城印と百名城スタンプ

■岐阜城の御城印
岐阜城では御城印を販売しています。
・金華山ロープウェー山麓売店
住所:〒500-8004 岐阜県岐阜市千畳敷下
料金は1枚300円です。

■岐阜城の日本百名城スタンプ
日本百名城スタンプは以下で希望者にのみ貸し出しとなります。
・岐阜城資料館(天守閣脇)
住所:〒500-0000 岐阜県岐阜市金華山天守閣18
TEL:058-263-4853
開館時間:〈通常〉午前9時30分~午後5時30分(3月16日~5月11日)、午前8時30分~午後5時30分(5月12日~10月16日)、午前9時30分~午後4時30分(10月17日~3月15日)
休館日:無休

岐阜城の入城情報

所在地

住所:岐阜県岐阜市金華山天守閣18
TEL:058-263-4853

開城時間

通常期:9:30~17:30
10月17日~3月15日:9:30~16:30
元旦:6:30~16:30
※期間限定で夜間営業有

休城日

なし(金華山ロープウェーは定期点検あり)

料金

個人:大人200円、子供100円
団体(30名以上):大人160円、子供80円

製作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。