室町時代の武家屋敷と城郭を見学できる城
湯築城_武家屋敷と土塀01
湯築城_武家屋敷と土塀01

湯築城の見どころと散策ルート

湯築城の最大の見どころは、その美しい堀と土塁です。特に、四方を囲む堀の美しさは見逃せません。また、復元された武家屋敷と土塁が、室町時代の城郭の面影を色濃く残しており、訪れる人々に歴史を感じさせてくれます。
最寄りは伊予鉄道「道後公園」駅で徒歩数分で湯築城「搦手門跡」に到着です。
今回は、「搦手門跡」から南に下り「武家屋敷」、「内堀南側」を巡り、「遮蔽土塁」を通って「展望台」へと進み、最後城の北側、「道後公園憩いの場(旧二の丸跡)」をめぐるルートでご紹介いたします。

目次

搦手門跡

湯築城_搦手門跡01
湯築城_搦手門跡01
道後温泉駅を出てすぐの場所にあります。
湯築城の搦手門は西側にあり、外堀との間には木橋が架かっていました。
また、門の上下には、雨落溝や排水溝があり、城内に水がたまらない工夫がされていました。

武家屋敷

湯築城_武家屋敷01
湯築城_武家屋敷01
搦手門から右手に折れて進むと資料館と復元武家屋敷があります。
武家屋敷は城の南西側と南側にありました。
南西側が武家屋敷として復元されています。
溝と小道で小さく均等に区切られた区画に小さな出入口があったと考えれれています。
復元屋敷内では、当時の武家の暮らしぶりが見学できます。
南側は上級武士団の居住エリアで現在も発掘エリアとなり庭園跡などが残ります。

最大土坑

湯築城_最大土坑01
湯築城_最大土坑01
南側の上級武士団の居住エリア北側には「最大土坑」跡があります。
土坑(掘削した穴)の目的は現在もはっきりしませんが、おそらく、城内のごみを集積していたのではと考えられています。

内堀(南側、北西側)

湯築城_内堀(南側)01
湯築城_内堀(南側)01
湯築城_内堀(北東側)01
湯築城_内堀(北東側)01
湯築城の構造は「梯郭式」。つまり本丸の三方を内堀で囲み、二の丸を内堀で囲む構造です。現在は東側が埋めたてられていますが、西側は当時の濠の様子が残されています。
濠は外側が土塁で、内側が石垣の土台に土塁が盛られた構造で、北西側は内側の土台となった石垣のみ残ります。

遮蔽土塁

湯築城_遮蔽土塁01
湯築城_遮蔽土塁01
東側にあった大手門(追手門)から武家居住区に侵入するのを防ぐために作られたと考えられています。比較的大きな土塁が築かれました。

展望台

湯築城_展望台からの眺め01
湯築城_展望台からの眺め01
本丸南端にあった曲輪跡で15世紀の礎石建物跡が見つかっています。
現在は展望台となっていて松山市内が一望できます。

道後公園いこいの場(旧二の丸跡)

湯築城_道後公園いこいの広場02
湯築城_道後公園いこいの広場02
城の北西部分にあった旧二の丸跡が公園広場として整備されています。
北西部分の鉢巻土塁の土台となる石垣や外堀をめぐる土塁も確認できます。

湯築城とあわせて見たい【伊佐爾波(いさにわ)神社】

湯築城_伊佐爾波神社01
湯築城_伊佐爾波神社01
創建は不明ですが、9世紀の奈良時代に道後に八社八幡宮を建立した中の一社として建立されたといわれ「道後八幡」「湯月八幡」ともいわれています。
元々は現在の湯築城跡付近にあったものが室町時代に河野氏によって現在の場所(湯築城の北東、湯築山南麓)に移されたといわれます。
その後、江戸時代に初代松山藩主加藤氏やその後の藩主松平氏によって整備されました。
社殿は日本に3社しかないといわれる「八幡造」という建築技法が用いられ、国重要文化財にも指定されています。

湯築城の御城印と百名城スタンプ

湯築城の御城印

湯築城の御城印は、湯築城跡資料館で販売されています。
住所:〒790-0843 愛媛県松山市道後町1丁目5-10
営業時間:月曜日から土曜日までの9:00~17:00

湯築城の日本百名城スタンプ

湯築城の御城印は、湯築城跡資料館で販売されています。
住所:〒790-0843 愛媛県松山市道後町1丁目5-10
営業時間:月曜日から土曜日までの9:00~17:00

湯築城の入城情報

【所在地】  〒790-0843 愛媛県松山市道後町1丁目5-10
【開城時間】 年中無休で24時間出入りできます。
【休城日】  年中無休
【料金】   無料

湯築城の歴史とイベント

湯築城は「藤原城」とも呼ばれ、典型的な平山城の構造を持っています。
湯築城は、愛媛県松山市に位置し、道後温泉のすぐ近くにあります。城の北側には、石手川が流れ、背後には道後山がそびえ立ち、自然の防御を形成しています。さらに、旧街道である伊予街道が近くを通り、城へのアクセスも容易でした。
城は、14世紀に河野氏によって築かれました。
「藤原城」とも呼ばれ、典型的な平山城の構造を持っています。
河野氏は伊予国の有力な豪族で、湯築城を拠点に勢力を拡大しました。特に、河野通直や河野通宣などの名だたる城主たちが城を守り続け、戦国時代を通じてその重要性を保ちました。しかし、豊臣秀吉の四国平定後、湯築城は廃城となり、城主たちは松山城へと移りました。
湯築城の周辺には、伊佐爾波神社や道後温泉本館など、歴史的な名所が点在しており、これらを巡ることで城下町の風情を感じることができます。又、毎年秋に「湯築城まつり」が開催され、地域の伝統や文化を祝います。この祭りでは、時代行列や武者行列が行われ、当時の雰囲気を再現します。また、城下町では季節ごとのイベントが開催され、特に春には桜の名所として多くの花見客で賑わいます。これらのイベントは、湯築城の歴史や文化を現代に伝える貴重な機会となっています。

湯築城への行き方(交通アクセス)

湯築城を目指すというよりまずは、道後温泉を目指すのがいいでしょう。
関東圏なら飛行機→道後温泉行のバスが断然おすすめです。
関西圏なら直通バスで松山や道後温泉を目指すのもありますね。
道後温泉から徒歩で15分。
市電や伊予鉄道で向かうと最寄り「道後公園」でそこから徒歩4分ほどです。

飛行機で行く場合

湯築城に最も近い空港は松山空港で、空港から湯築城までは車で約30分の距離にあります。
空港から直接道後温泉行のリムジンバスに乗ると便利です。
▶レンタカーは以下
1. トヨタレンタリース松山空港店
TEL: 089-972-0100
2. ニッポンレンタカー松山空港店
TEL: 089-972-0919
3. オリックスレンタカー松山空港店
TEL: 089-974-0543

新幹線・電車で行く場合

湯築城に最も近い新幹線の駅は、JR岡山駅です。
そこから松山駅まで特急や在来線を利用する必要があります。
2時間50分~3時間程度
JR松山駅すぐ、伊予鉄道「松山駅前駅」から「道後公園」下車で徒歩4分ほど

車で行く場合

湯築城に最も近い高速道路のインターチェンジは、松山自動車道の松山ICで、そこから車で約20分の距離にあります。
■湯築城、カーナビへのセットは以下の情報で!
湯築城跡公園駐車場
住所:〒790-0843 愛媛県松山市道後町1丁目4-10

駐車場

湯築城跡公園駐車場
住所:〒790-0843 愛媛県松山市道後町1丁目4-10

製作スタッフ紹介

記事担当

倉の丞
倉の丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。

※写真は「写真AC」を使用