白い天守と壁が美しい大地の力が宿る火山城
島原城 本丸土塀と天守
島原城 本丸土塀と天守

島原城の見どころとイベント

島原城 丑寅櫓(東堀通りから見た)
島原城 丑寅櫓(東堀通りから見た)
島原城 島原武家屋敷、鳥田邸内部
島原城 島原武家屋敷、鳥田邸内部
島原城 島原武家屋敷街
島原城 島原武家屋敷街
島原城の見どころは何といっても白く整然と並ぶ白い土塀と天守、櫓です。城の石垣は火山岩を加工したもので、武家屋敷にも使われています。
古い街並みに入ると火山島に迷い込んだ錯覚におそわれます。
島原城は別名で「森岳城」とも呼ばれています。城が築かれた場所に、かつて「森岳」と呼ばれる小高い丘があったことが由来です。
島原城は東の有明海、西の雲仙岳を中心とする山地の間にある平地に築かれました。南北に細長い平地を利用したこともあり、城郭も南北に曲輪が並ぶ形が採用されています。なお南から本丸・二の丸・三の丸が並び、本丸と二の丸は周りを水堀が囲っている構造です。
復元された5層5階の天守閣がかつての堅城としての威容を今に伝えています。城内にはキリシタン史料館もあり、南蛮貿易が盛んだった時代や島原・天草一揆に関する資料も多く展示されているのが魅力です。近くには島原藩に仕えた武士の屋敷も残されており、往時の街並みをしのばせています。

目次

島原城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

長崎空港から島原城までは車やタクシーで約1時間20分
▼レンタカーは以下
・トヨタレンタカー 長崎空港店 TEL:0957-53-0100
・オリックスレンタカー 長崎空港店 TEL:0957-54-6555
・ニッポンレンタカー 長崎空港前営業所 TEL:0957-54-2748
・日産レンタカー 長崎空港店 TEL:0957-54-1688
・タイムズカー 長崎空港店 TEL:0957-49-5656

▼公共交通機関利用の場合
本諫早駅前行きの空港リムジンバス・島原鉄道で約2時間20分、島原鉄道島原駅下車後徒歩約12分
空港リムジンバスの時刻表は以下のリンクを参照ください
https://nagasaki-airport.jp/access/bus/timetable/bus_omura.php

新幹線・電車で行く場合

島原鉄道:島原駅下車
七万石坂・東堀端通りなどを経由し徒歩約12分

車で行く場合

がまだすロード島原I.C.より約5分
長崎県道58号線(愛野島原線)を島原市中心部方面に進み、8つ目の信号で左折してください。左折後まっすぐ進むと、右手に入口が見えます。

駐車場

島原城には本丸跡・大手門・武家屋敷の3ヵ所に駐車場があります。詳しい情報は以下の通りです。

・島原城駐車場
場所:長崎県島原市城内1-1183-1
利用時間:9:00~17:30
料金:1時間330円
収容台数:普通車90台
TEL:0957-62-4766(株式会社島原観光ビューロー)

・大手駐車場
場所:長崎県島原市上の町538-11
利用時間:24時間
料金:無料
収容台数:普通車10台
TEL: 0957-62-4766(株式会社島原観光ビューロー)

・武家屋敷観光客専用駐車場
場所:長崎県島原市城西中の丁
利用時間:8:30~17:30
料金:無料
収容台数:普通車25台
TEL: 0957-62-4766(株式会社島原観光ビューロー)

島原城、最寄りの場所からのアクセス方法

島原城は島原鉄道島原駅から徒歩約12分です。駅の西側から七万石坂や東堀端通りを経由し、南側から城の入口に向かいます。
城の入口は西側にあり、中に入ると直接本丸に出られる構造です。

西の櫓・巽(たつみ)櫓を経て天守閣に至り、さらに御馬見所(おんうまみしょ)・丑寅(うしとら)櫓・矢狭間(やざま)塀を経て、島原武家屋敷跡を見るルートで城の見どころを解説していきます。

島原城と城下町を散策する

西の櫓

島原城 西の櫓と本丸登城口
島原城 西の櫓と本丸登城口
島原城 西の櫓(南堀から見た、遠景)
島原城 西の櫓(南堀から見た、遠景)
島原城 西の櫓(本丸登城口から見た、近景)
島原城 西の櫓(本丸登城口から見た、近景)
西の櫓は島原城の西側の入口から坂を上がると、すぐ右手に見えてくる櫓です。1625(寛永2)年の完成時に複数あった三重櫓の1つで、明治維新で廃城になった際に一度解体されています。しかし昭和時代に地元住民の城復元への熱意を受け、1960(昭和35)年に城内の建築物の中でいち早く復元されました。現在では全国各地の名城を描いた絵や、全国各県のこけしを展示する施設として一般公開されています。またすぐ近くにある前庭の芝生広場は、堂々とそびえる天守閣を背景にした記念撮影の場として人気が高いです。

巽櫓

島原城 巽櫓(西望記念館)
島原城 巽櫓(西望記念館)
島原城 巽櫓と天守(東堀通りから見た)
島原城 巽櫓と天守(東堀通りから見た)
島原城 巽櫓(東堀通りから見た、遠景)
島原城 巽櫓(東堀通りから見た、遠景)
巽(たつみ)櫓は島原城本丸の南東側にそびえる櫓です。江戸時代当時、南東を「巽」と呼んでいたことが名前の由来です。城内にあった三重櫓の1つで、本丸や天守閣の東側を守る拠点にもなっていました。明治時代に島原城の廃城によって解体されましたが、1972(昭和47)年に復元されました。

堀の下から天守閣とともに見える風景が、島原城の紹介でよく使われているため、城有数の写真映えスポットになっています。なお櫓内部は地元出身の彫刻家・北村西望氏の作品を展示する記念館となっています。北村氏は長崎市にある平和祈念像の製作者としても有名です。

天守閣

島原城 天守(本丸から見た、下層部修繕中)
島原城 天守(本丸から見た、下層部修繕中)
島原城 天守(東堀通りから見た)
島原城 天守(東堀通りから見た)
島原城 天守最上階から見た有明海と熊本県
島原城 天守最上階から見た有明海と熊本県
天守閣は島原城内で最大の見どころになっている建造物です。巽櫓のすぐ北西側にそびえ、高さ約33mの5層5階建てになっています。明治時代の廃城時に一度解体されましたが、地元住民の熱い要望が実って1964(昭和39)年に再建されました。なお2022(令和4)年7月から外壁の改修工事も予定されています。

天守閣はピラミッドを思わせる層塔型が特徴的です。外壁もほぼ白色総塗り込みになっており、瓦屋根とともにとても美しい姿を誇っています。ただ近年の調査で下2層が同じ大きさで、壁も下見板張りだったという説も浮上しています。ちなみに全国の他の城と異なり、屋根の部分に破風が見られない点も大きな特徴です。

現在城内はキリシタンの歴史や島原藩時代の史料が多く展示されています。キリシタン関係では有馬氏時代のキリシタン文化・島原の乱・禁教時代の弾圧などの資料が豊富で、彼らの信仰生活や文化などに触れられるのが特徴です。また藩主だった深溝松平氏の武具や調度品、蘭学研究関係の資料も見られ、島原藩が安定していた時代に思いを馳せることができます。最上階は展望台となっており、雲仙岳や有明海などが一望できる点が魅力的です。



御馬見所

島原城 御馬見所
島原城 御馬見所
島原城 御馬見所入口
島原城 御馬見所入口
島原城 御馬見所(遠景)
島原城 御馬見所(遠景)
御馬見所(おんうまみしょ)は、天守閣のすぐ北東にある建物です。幕末の島原藩主松平忠和が藩士の訓練を視察するために建てました。当初は三の丸にありましたが、明治時代の廃城時に島原半島最南端の口之津町に移されています。後に島原城の復元が進んだ1966(昭和41)年に本丸に移されました。城内の建物でも往時の姿を残す貴重な建物であることから、国の登録有形文化財になっています。

建物は木造の平屋建てで、屋根の部分は杉皮で葺いた切妻造りです。裏側のほぼ中央から中に入れるようになっており、内部は10畳ほどの大きさになっています。廊下を挟んで四畳半の部屋が左右に1室ずつ設けられている構造です。西・北・南の三面に障子が設けられている点も特徴になっています。

丑寅櫓

島原城 丑寅櫓(東堀通りから見た、遠景)
島原城 丑寅櫓(東堀通りから見た、遠景)
島原城 丑寅櫓(遠景)
島原城 丑寅櫓(遠景)
島原城 丑寅櫓
島原城 丑寅櫓
丑寅(うしとら)櫓は島原城の北東側にそびえる三重櫓です。江戸時代当時に北東を「丑寅」と呼んでいたことが名前の由来になっています。明治時代の廃城時に天守閣などとともに解体されました。1980(昭和55)年に再建され、現在では島原地域の民具資料館として公開されています。

櫓の外側には、かつて島原城の北側にあった諫早門(北門)の門扉が展示されており見逃せません。また明治から昭和時代の民具も多く展示されています。中には商看板や醤油絞り器など商家にまつわるものもあります。

矢狭間塀

島原城 鉄炮狭間(本丸内部)
島原城 鉄炮狭間(本丸内部)
島原城 丑寅櫓と土塀(東堀通りから見た)
島原城 丑寅櫓と土塀(東堀通りから見た)
島原城 西の櫓と土塀(南堀から見た)
島原城 西の櫓と土塀(南堀から見た)
矢狭間(やざま)塀は島原城の城郭を囲っていた塀です。随所に守備の兵士が攻め手に向けて矢を放つための小窓が付いています。塀の総延長は2,233mもの長さに及び、かつて堅城とうたわれた島原城の強固さを示すものでした。明治時代に島原城が廃城になった際に取り壊されましたが、天守閣や櫓とともに復元されています。

現在では本丸や二の丸に沿って塀が続いており、往時の城の姿をイメージする上でうってつけの構造物です。天守閣や巽櫓を一望できる南東側からも塀の姿が見られ、両方の建物の美しさをより引き立てています。

島原武家屋敷跡

島原城 島原武家屋敷街の水路
島原城 島原武家屋敷街の水路
島原城 島原武家屋敷、鳥田邸
島原城 島原武家屋敷、鳥田邸
島原城 島原武家屋敷、鳥田邸入口
島原城 島原武家屋敷、鳥田邸入口
島原武家屋敷は、島原城の北西に立ち並んでいた島原藩士の屋敷群を指します。1624(寛永元)年に島原城が築かれた時期、城の外郭に設けられた区域です。俸禄(給料)が70石以下の下級武士が住んでいました。彼らは鉄砲足軽でもあったことから、「鉄砲町」という別名もあります。

街並みは400mの長さになっており、碁盤の目状に整然と区画されています。南北を通る道路の中央には水路が設けられ、近くの杉山権現熊野神社の湧き水を引いている点も特徴です。なお流れる清水は藩士たちの生活用水として活用されていました。

各屋敷は90坪ずつに区切られており、うち住居は25坪程度の藁葺きのものが建てられています。また屋敷内には梅や柿など実のなる木々が植えられ、果物を自給できるようになっていました。現在は鳥田邸・篠塚邸・山本邸の3家が一般に無料公開されています。いずれも島原藩の重職・書記・砲術市販を務めた家柄であるため、見ごたえも抜群です。

島原城の御城印と百名城スタンプ

■島原城の御城印
島原城では御城印を販売しています。
島原城天守閣券売所
住所:〒855-0036 長崎県島原市城内1-1183-1
TEL:0957-62-4766(島原城天守閣事務所)
料金は1枚300円です。

■島原城の日本百名城スタンプ
日本百名城スタンプは以下で希望者にのみ貸し出しとなります。
島原城天守閣券売所
住所:〒855-0036 長崎県島原市城内1-1183-1
TEL:0957-62-4766(島原城天守閣事務所)
 開館期間:年中無休
 開館時間:9:00~17:30(最終入館17:00)

島原城の入城情報

所在地

長崎県島原市城内1-1183-1
TEL:0957-62-4766(島原城天守閣事務所)

開城時間

9:00~17:30(最終入館17:00)

休城日

年中無休

料金

個人:大人550円、高校生以下280円
団体(15名以上):440円
障害者割引き(本人及び介護者1名):大人440円、高校生以下220円
※天守閣、西望記念館、観光復興記念館の3館共通入館料

製作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。