日本三大平山城、段々に配された郭と天守群
伊予松山城 天守
伊予松山城 天守

松山城の見どころとイベント

松山城 天守群
松山城 天守群
松山城 天守群の夜景
松山城 天守群の夜景
松山城の見どころは、山頂に本丸、南西麓に二之丸、続いて三之丸。北麓には北曲輪、南東麓に東曲輪がある独特の城郭と、本丸の3重3階地下1階の大天守を中心に小天守や5つの櫓と土塀で囲まれた連立式天守群です。また、かつて藩主の邸宅であった二之丸邸遺構のうえに作庭された二之丸史跡庭園や大正ロマン香る純フランス風の国重要文化財「萬翠荘」も見所の1つになっています。

目次

松山城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

松山空港から車・タクシーで約50分
▼空港内レンタカーは以下
平成レンタカー  089-989-6111
オリックスレンタカー 089-905-6388
バジェットレンタカー 089-973-0543
トヨタレンタカー 089-972-6100
ニッポンレンタカー 089-973-6811
日産レンタカー  089-974-2341
タイムズカー 089-972-8371

松山空港からリムジンバスで約30分(道後温泉駅前行きリムジンバスに乗車し、「大街道」で下車してください。バス停から徒歩で約5分です。)

松山空港からバスで約30分(伊予鉄バス52に乗車し、「ロープウェイ前」で下車してください。)

新幹線・電車で行く場合

車で行く場合

・松山自動車道 松山ICから車で約20分
・しまなみ海道 西瀬戸尾道ICから車で約1時間45分
■松山城、カーナビの登録は以下の情報で!
住所:愛媛県松山市丸之内
TEL:089-921-4873

駐車場

・松山城駐車場(喜与町駐車場)
場所:松山市喜与町きよまち1丁目6番12号
利用時間:8時~18時
料金:[普通車]
基本料金2時間 420円
    30分毎 100円
   [バス]
基本料金2時間 1050円
    30分毎  200円
収容台数:普通車12台、バス8台
お問い合わせ:観光・国際交流課
TEL:089-948-6556

松山城、最寄りの場所からのアクセス方法

姫路城、津山城とともに日本三大平山城に選ばれている名城です。
愛媛県松山市にある平山城で、JR予讃線「松山駅」から東に徒歩13分、伊予鉄道「松山市駅」から北に徒歩13分の位置にあります。
(どちらの駅からでも市内電車に乗れ、「大街道」駅下車で徒歩5分で行けます。)
勝山の丘陵に建てられたことから別名「勝山城」とも称されています。
松山城は、本丸を勝山の山頂にいただき、その南西のふもとに二の丸、さらにその下に三の丸、北麓には北曲輪、南東麓に東曲輪があります。松山城の政治の中枢は二の丸で、藩主の生活の場である御殿や庭園、茶室などがありました。三の丸には身分の高い家来の屋敷が建ち並んでいました。三の丸は西と南に堀を張り巡らせ、それを土塁で囲む構造で、三の丸、二の丸からは細い参道を上って大手門をくぐり本丸に登城するようになっていました。本丸は平時は武器や馬具などの倉庫として使い、有事の際に立てこもれるような構造となっています。現在の櫓や土塀もほとんどがこの本丸内に現存しています。以下本丸内の主な建造物を天守に登る道筋に沿ってご紹介していきます。
本丸、天守への登城道は3つあります。
1つは城の東側「大街道」から土産物・飲食街を進みロープウェイから長者ガ平、搦手門跡を通って大手門跡を越えて登城するルート(東雲口登城道)。2つ目は城山麓の南側にある愛媛県庁脇から長者ガ平に登城するルート、3つ目は二之丸史跡庭園から大手門跡を通て登城するルート(黒門口登城道)です。
いずれもまずは戸無門から本丸に入ります。
今回はロープウェイを使う東雲口登城道をご紹介します。

松山城を散策する

大街道からロープウェイを使って長者が平へ

最も登城が楽なコースです。(笑
路面電車「大街道」で下車すると松山一の繁華街、大街道に出ます。南に向かうと繁華街、北に向かうと食事処とロープウェイへの道になっています。今回は北に向かいます。
若干の上り道ですが5分ほどまっすぐ進むと松山城総合事務所のビル、そこを上に上ると松山城東雲口ロープウェイ入口があります。ここから長者が平までロープウェイで上ります。(所要時間5分ほど)
ちなみに上り終えると、スタッフの方に「だんだん」と声をかけられます。これは愛媛の方言で「ありがとう」という意味です。

長者が平から戸無門へ

松山城 東雲口登城道
松山城 東雲口登城道
松山城 戸無門
松山城 戸無門
松山城 筒井門
松山城 筒井門
まず向かうのは戸無門です。
長者が平からは真っすぐ林を抜けるように進むと本丸の石垣群が見えます。
突き当りを左折して石垣に沿うように進むと大手門跡に出ます。ここを右折して登っていくと戸無門です。
・戸無門(国重要文化財)
戸無門は高麗門の建築様式で、慶長の創建当初からの建築物です。扉(=戸)がないことからこの名がついています。
戸のない門で敵を油断させ、矢間や鉄炮狭間を有する城最大の門である筒井門に誘い込むための目的で作られたと考えられています。

隠門と隠門続櫓(両方とも国重要文化財)、そして天守へ

松山城 隠門
松山城 隠門
松山城 太鼓門
松山城 太鼓門
松山城 太鼓櫓
松山城 太鼓櫓
筒井門を通るとその背後に隠門続櫓があり、虎口に誘い込まれた敵の背後から矢や鉄炮で攻撃できるようになっています。
さらに太鼓櫓、太鼓門をくぐる正面に天守群が見えてきます。天守群に向かって進むと左側に馬具櫓があり、松山の街並みが見えてきます。
天守群へは、この先左に見える観覧券発売所にてチケットを購入すると入城できます。

天守と小天守

松山城 大天守からの眺望
松山城 大天守からの眺望
松山城 乾櫓
松山城 乾櫓
大天守は国の重要文化財に指定され、それを取り囲むように小天守や6つの櫓群で囲まれています。
また、一段下った西側には同じく重要文化財の乾櫓や日本で現存する唯一の望楼型2重櫓である野原櫓(騎馬櫓)があります。

天守とそれに連なる櫓群の内部や構造

松山城 天守曲輪内の構造
松山城 天守曲輪内の構造
松山城の天守は連立式層塔型の3重3階地下1階構造の木造建築物です。
創建当初は5重の天守だったようですが、加藤家、蒲生家の次に入った松平家治世の代に現在の天守に作り替えられました。
天守の外観は1、2階が黒塗下見張りで3階が白漆喰塗り、屋根には千鳥破風や軒唐破風が付けられ、瓦には親藩大名の城らしく丸に三つ葉葵の瓦紋が付けられています。
天守内では、甲冑を着たり、刀を実際に持ってることができるコーナーや、実際に加藤嘉明が身につけた甲冑や歴史的に重要な書状など展示され、当時の様子を文字道理肌で感じられます。
本来天守は、戦闘の一大事の時だけに籠城する場所で、普段は人が出入りするところではないのですが、松山城は天守の1階から3階まですべて畳を敷くことができる構造になっていて、天井板も貼ってあります。大天守改築時が江戸泰平の時代だったのでここで衣食住ができるようにしていたのかもしれません。

本丸から二之丸へ

松山城 二之丸史跡庭園入口
松山城 二之丸史跡庭園入口
松山城 二之丸大井戸
松山城 二之丸大井戸
松山城 二之丸庭園内の聚楽亭
松山城 二之丸庭園内の聚楽亭
先ほど紹介した本丸から戸無門を後にして大手門跡から坂を下って二の丸に向かいます。奥門を左に見ながら右に折れると「四脚御門」、通り過ぎて土塀を左折すると多門櫓の門が左に見えます。これが二の丸への入り口です。
松山城二之丸史跡庭園は、松山藩主の表御殿と、藩主家族の住居である奥御殿があり、北側の四脚御門から松山城へ道が通じていました。
現在の表御殿跡は「柑橘・草花園」となり丁度史跡内の北半分がこれに当たります。各地の柑橘類や草花で昔の間取りの部屋を表現しています。奥御殿は西南部にあり、「流水園」で水と砂利と芝生で昔の部屋の間取りを表現しています。残る東側は「林泉庭」で趣のある「わびさび」が感じられます。
二之丸史跡庭園は、日露戦争時のロシア人捕虜の男性と日本人女性看護師のロマンスを秘めた金貨が出土したことと、結婚式の前撮りの場所として年間500件ほどの撮影が行われていることなどから「恋人の聖地」として認定されています。ぜひ、恋人や夫婦で訪れてはいかがでしょうか。

三之丸

ふれあい広場(旧三之丸、堀之内曲輪)から見た松山城天守
ふれあい広場(旧三之丸、堀之内曲輪)から見た松山城天守
かつて武家屋敷があった三の丸は現在城山公園堀之内地区として市民に愛されています。犬の散歩や軽いスポーツができる「ふれあい広場」や愛媛県立美術館や図書館などもあります。

萬翠荘

松山城 城山公園のお堀(旧三之丸外堀跡)
松山城 城山公園のお堀(旧三之丸外堀跡)
松山城 萬翠荘
松山城 萬翠荘
城山公園から南堀の橋を越え、南堀端通り沿いを東に進むと県庁、次いで簡易裁判所があります。裁判所と坂の上の雲ミュージアムの間の路地をすすむと、明治時代の西洋建築「萬翠荘」が見えてきます。
萬翠荘は、1922年(大正11)、旧松山藩主の子孫にあたる久松 定謨(ひさまつ さだこと)伯爵が、別邸として建設されました。
松山市内で最も古い鉄筋コンクリート造の建築物です。
屋根は寄棟造、スレートおよび銅板葺きで屋根中央にはマンサード屋根、東南隅には尖塔を設けて外観に変化をもたせているのが特徴です。現在は館内を見学することができ、玄関を入ると1階に広間、サロン(謁見の間)、食堂(晩餐の間)、執事室、配膳室などの部屋があり、2階は居間、寝室などの居住スペースでした。玄関の床は大理石、玄関ホールの柱は万成石、正面階段の手すりは継ぎ目の無い南洋チーク材の一本木、各部屋には色の異なる大理石の暖炉、水晶のシャンデリア、大きなステンドグラスなど純フランス風の大正浪漫を感じる建築物となっています。

松山城、近くの観光地情報

松山城下町やおすすめ観光スポットについてご紹介します。
松山は有名な文学や様々な偉人を生み出している文学の街です。夏目漱石や正岡子規、高浜虚子が代表的な偉人にあたります。城下町には文学や偉人に関連した観光地が数多くあります。夏目漱石の小説『坊ちゃん』は、ここ松山を舞台に書かれており、城下町には「坊ちゃん列車」や「坊ちゃんカラクリ時計」など、坊ちゃんと名前のつくものがたくさんあります。松山のシンボルとして復活した「坊ちゃん列車」では、松山城下町をまわることもできます。城下町を散策し、文学作家になった気分で観光を楽しんでみてください。

おすすめ観光スポット①|道後温泉

道後温泉本宿
道後温泉本宿
道後温泉は日本最古の温泉地であり、3000年を超える歴史を持っています。夏目漱石の小説や万葉集など、数々の文学作品にも登場するほど、古くから知られており、多くの人に親しまれています。現在道後温泉には、「道後温泉本館」、「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」、「椿の湯」の3つの外湯があります。
シンボルである「道後温泉本館」は明治時代に建築され、建物と大浴場はレトロな空間となっています。本館南にある「空の散歩道」では、道後周辺を一望でき、夜には幻想的な夜景を見ることができます。また屋上の振鷺閣には、時刻を告げる刻太鼓が吊り下げられており、この太鼓の音は「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。
「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」は、飛鳥時代の建築様式を取り入れた湯屋がコンセプトの新湯です。本館と同様の、全国でも珍しい加湯・加水をしていない源泉かけ流しの温泉を満喫できます。また、本館には無い露天風呂や昔の浴衣「湯帳」を着ての入浴体験もできます。
道後温泉街には商店街があり、近くには道後公園や博物館もあります。温泉で疲れを癒した後に、浴衣で散歩するのもおすすめです。

ホームぺージ:https://dogo.jp/

松山城から道後温泉への行き方

松山城から道後温泉までは、車で平和通りを道後公園に向かって進み、道なりに沿って2つ目の交差点を左折してまっすぐ進んでいただくと到着します。所要時間は約6分です。近くには、道後温泉駐車場がありますのでご利用ください。
バスでは、伊予鉄バスの松山空港線に乗車し、「ロープウェイ前」から「道後温泉駅」まで9分程度で到着します。料金は180円です。
「ロープウェイ前」は松山城のすぐ目の前にあります。「道後温泉駅」からは徒歩3分程度で着きます。

松山城の御城印と百名城スタンプ

松山城では登城記念符(御城印)とオリジナルの御城印帳の販売を行っています。
御城印と御城印帳は、松山城天守きっぷ売り場にて販売されています。
料金は、御城印1枚300円、御城印帳1冊2700円です。

日本百名城スタンプは、松山城天守入口で押せます。

■ 松山城天守きっぷ売り場
 住所: 岡山県高梁市内山下1
 TEL:   0866-22-1487
 開館期間: 通年開館(12月第3水曜日は休館)
 開館時間:9時から16時30分(2~7・9~11月)
9時から17時(8月)
9時から16時(12~1月)

松山城の入城情報

所在地

住所:愛媛県松山市丸之内
TEL:089-921-4873

開城時間

[天守]
2月~7月 9時~17時
8月 9時~17時30分
9月~11月 9時~17時
12月~1月 9時~16時30分
[ロープウェイ]
2月~7月 8時30分~17時30分
8月 8時30分~18時
9月~11月 8時30分~17時30分
12月~1月 8時30分~17時
[リフト]
8時30分~17時

休城日

12月第3水曜日

料金

[天守]
大人:520円
小人(小学生):160円
[ロープウェイ・リフト往復券]
大人:520円
小人(小学生):260円
[ロープウェイ・リフト片復券]
大人:270円
小人(小学生):140円
[天守+往復券]
大人:1040円
小人(小学生):420円
※団体割引あり
※ロープウェイ・リフトのどちらでもお乗りいただけます。
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方(介護人1名無料)、松山市内にご在住の高齢者(65歳以上)の方は証明書持参で無料です。
※身体障害者手帳等をお持ちで車いすをご利用の方は、ご本人はもとより介助者3名まではロープウェイの料金が無料です。

製作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。