英・蘭貿易の拠点、松浦氏築城の灯台城
平戸城 沖見櫓(天守閣)01
平戸城 沖見櫓(天守閣)01

平戸城の見どころとイベント

平戸城 沖見櫓(天守閣)と見奏櫓01
平戸城 沖見櫓(天守閣)と見奏櫓01
平戸城 北虎口門と地蔵坂櫓03
平戸城 北虎口門と地蔵坂櫓03
平戸城 光明寺と平戸ザビエル教会02
平戸城 光明寺と平戸ザビエル教会02
平戸城と言えば、海に面した平山城で長崎と島々を結ぶ北端の貿易拠点として有名です。
九州北部の土豪松浦氏が代々治める地域で、江戸時代、松浦隆信が築城しました。
江戸時代初期からイギリス・オランダの交易港として栄え、その財力は外様大名でも随一だったと言われています。
その財政力に脅威を覚えたことから、イギリス・オランダとの貿易港を長崎に移したといわれ、2代目藩主の鎮信(しげのぶ)は、幕府からの疑義がかからないように城郭の取り壊しを行うほどでした。
その後、幕府も平戸の地理的な重要度を再認識し、外様大名では珍しい城の再築城を認めています。
石垣や門のほか地蔵坂櫓などの櫓の一部が現存し、天守(沖見櫓)・見奏櫓や懐柔櫓などが再建されています。
平戸は日本と欧州が混ざったような歴史的建造物が豊富。平戸ザビエル記念教会と光明寺、瑞雲寺が交差して見える風景は象徴的です。また、キリスト教文化遺産群にも登録される田平天主堂や大きな平戸大橋など一見の価値ある建造物や自然が目白押しです。

目次

平戸城へのアクセス方法

新幹線・電車で行く場合

・JR佐世保駅、西肥バスセンターからバスに乗り約90分、「猶興館バス停」または「平戸市役所前」で下車、そこから徒歩で約10分
・松浦鉄道・たびら平戸口駅、西肥バス「猶興館高校入口」で下車

車で行く場合

博多からお越しの方
・博多 → (都市高速・西九州自動車道) → 南波多谷口IC → 伊万里湾大橋 → 山代久原IC → 松浦IC → 平戸

長崎からお越しの方
・長崎市 → (長崎自動車道~西九州自動車道) → 佐々IC → 平戸

佐賀からお越しの方
・佐賀 → (長崎自動車道~西九州自動車道) → 佐々IC → 平戸

駐車場

料金:無料
収容台数:P1→100台 P2→20台 P3→7台

平戸城、最寄りの場所からのアクセス方法

平戸城 城内案内図01
平戸城 城内案内図01
電車で向かう場合は、松浦鉄道西九州線西田平駅からバスで35分、1時間に1~2本程度出ています。
拠点は佐世保になると思います。
車で向かわれる方は、平戸城駐車場が3か所あります。(いずれも無料)
今回は無料駐車場(P2テニスコート近く)から乾櫓付近の階段から登城し、亀岡神社、懐柔櫓、見奏櫓、天守閣(沖見櫓)、本丸、狸櫓、北虎口門と地蔵坂櫓を通って、三の丸大手門跡、二の丸大手門跡、方啓門跡と巡り、最後に幸橋と幸橋御門をめぐるルートでご案内します。

平戸城を散策する

乾櫓

平戸城 乾櫓03
平戸城 乾櫓03
平戸城 乾櫓11
平戸城 乾櫓11
駐車場からすぐに乾櫓が見えます。
少し登ったところが入り口で乾櫓横の石段から登城です。
乾櫓は再建建築物で内部がカフェになっているので城巡りに疲れたら休憩場所で使うといいでしょう。

亀岡神社

平戸城 亀岡神社05
平戸城 亀岡神社05
乾櫓を背にして進むと二の丸です。
すぐ左手に亀岡神社が見えてきます。
亀岡神社の境内の奥に天守閣と見奏櫓が見えるのでここでの写真撮影がおすすめの1つです。

懐柔櫓

平戸城 懐柔櫓02
平戸城 懐柔櫓02
亀岡神社を進んで本丸方面に向かいます。
最初に見えてくるのが懐柔櫓と平戸瀬戸です。
懐柔櫓は廃藩置県後に再建された櫓の1つで、現在は100名城2つ目の宿泊施設になっています。
城二の丸の最東端なので遮るものがなく、海と空の青さ、九州北部の緑と平戸大橋の朱色が何とも言えない美しい風景です。

平戸城CASTLESTAY懐柔櫓
https://www.castlestay.jp/

見奏櫓

平戸城 見奏櫓07
平戸城 見奏櫓07
平戸城 見奏櫓11
平戸城 見奏櫓11
懐柔櫓を背にするとすぐ目の前に見奏櫓と天守閣が見えてきます。
階段を登り天守丸に入るとすぐ右手が見奏櫓です。
見奏櫓も再建櫓の1つで、中は展望室と資料展示室になっています。

天守閣(沖見櫓)

平戸城 沖見櫓(天守閣)05
平戸城 沖見櫓(天守閣)05
平戸城 沖見櫓(天守閣)09
平戸城 沖見櫓(天守閣)09
旧沖見櫓跡に再建されたのが天守閣資料館です。
中は、松浦氏の資料や甲冑、貴重な陶器などの展示品があり、城の歴史を詳しく紹介ています。
最上階からは外に出て景色が眺められます。
城内二の丸から平戸の丘陵を見るもよし、海に浮かぶような櫓を見るもよし、です。
平戸城 沖見櫓(天守閣)12
平戸城 沖見櫓(天守閣)12
平戸城 沖見櫓(天守閣)からの眺め04
平戸城 沖見櫓(天守閣)からの眺め04

本丸と本丸門

平戸城 本丸04
平戸城 本丸04
平戸城 本丸門03
平戸城 本丸門03
天守丸を後にして石段を下ると本丸門があります。
本丸から眺める天守も本当にきれいですのでぜひ写真撮影をお勧めします。

狸櫓

平戸城 狸櫓02
平戸城 狸櫓02
天守門を通りさらに石段を下ると狸櫓と北虎口門に出ます。
狸櫓は売店にもなっているので休憩するのもいいでしょう。

北虎口門と地蔵坂櫓

平戸城_北虎口門05
平戸城_北虎口門05
平戸城 地蔵坂櫓09
平戸城 地蔵坂櫓09
北虎口門は現存する建物の1つで櫓門になっています。狸櫓とつながり、地蔵坂櫓とは土塀でつながっています。

大手御門跡

平戸城 大手一ノ門跡05
平戸城 大手一ノ門跡05
平戸城 大手御門跡01
平戸城 大手御門跡01
櫓群を見学し二の丸に戻り南の方に階段を下りきると大手御門跡です。
ここが当時の城正門にあたります。
現在は亀岡神社参拝用の山道にもなっていて鳥居が立っています。
大手御門は桝形虎口門になっていて虎口の角には隅櫓がありました。

二の丸大手門跡

平戸城 二ノ大手門跡01
平戸城 二ノ大手門跡01
大手御門を後にしてさらに本丸方面に再度進むと二の丸大手門跡です。
二の丸大手門も大手御門跡同様に、正面に鳥居があり、桝形虎口で角に隅櫓が配置されています。

方啓門跡

平戸城 方啓門跡01
平戸城 方啓門跡01
二の丸に入って左手に進むと方啓門跡に続く石段があります。
方啓門跡の下にも数台車が止められる駐車スペースがあります。

幸橋と幸橋御門

平戸城 幸橋と幸橋御門07
平戸城 幸橋と幸橋御門07
平戸城の本丸、二の丸を後にしてP1駐車場方面に進んでいくと漁港、さらには市役所庁舎があります。
庁舎と川の間に幸橋と幸橋御門があります。

平戸城下町を散策する

平戸の城下町には、武家屋敷の他に教会や貿易のための商館などほかのお城の城下町では見ることが少ない貴重な建物が数多く残ります。

松浦史料博物館

平戸城 松浦氏資料博物館
平戸城 松浦氏資料博物館
松浦資料博物館は、平戸城から北に徒歩15分ほど場所にあります。
石垣と土塀に囲まれた松浦氏邸宅跡で、日本家屋の邸宅内に貴重な資料や武具などが展示されています。

平戸オランダ商館

平戸城_平戸オランダ商館
平戸城_平戸オランダ商館
平戸オランダ商館は、平戸城から港を挟んで西側にあります。
江戸初期の英・蘭貿易の中心地でしたが、1646年に商館自体は長崎に移りました。
外観は白漆喰の美しい欧州風建築で、館内には当時の貴重な資料が保存されています。

光明寺と平戸ザビエル教会

平戸城 光明寺と平戸ザビエル教会05
平戸城 光明寺と平戸ザビエル教会05
おすすめの撮影スポットまでは、平戸城から徒歩で20分ほどです。
直線距離はさほどではないのですが坂道、石段になっているので時間はかかります。
光明寺の山門付近に撮影スポット用の台があるのでそこで撮影するのがいいでしょう。

平戸大橋

平戸城 平戸大橋02
平戸城 平戸大橋02
1977年に開通した橋脚で、北九州と平戸島を結びます。
平戸の緑、平戸瀬戸の青に、大橋の茜色は本当に映えます。
平戸島から九州にわたって左手に進むと車を止めるスペースがあるのでそこで撮影できます。

田平天主堂

平戸城 田平天主堂04
平戸城 田平天主堂04
西田平駅から車だと約5分ほど。バスはなく徒歩だと約30分の道のりです。
田平天主堂は、長崎・平戸のキリスト教文化遺産群にも登録されている建築物で大正時代の洋風建築です。
レンガ造りの大聖堂で、信者が協力しながら建築したことでも有名です。

平戸城の御城印と百名城スタンプ

御城印販売場所

平戸城天守閣窓口
住所:長崎県平戸市岩の上町1458番地1
開城時間:4月~9月 8時30分~18時、10月~3月 8時30分~17時(休城:12月30日~31日)

日本100名城スタンプ設置場所

平戸城現天守閣

平戸城の入城情報

所在地

住所:長崎県平戸市岩の上町1458番地1

開城時間

・4月1日~9月30日:8時30分~18時
・10月1日~3月31日:8時30分~17時

休城日

12月30日~31日

料金

大人520円、高校生310円、小・中学生200円

制作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。