日本三大山城、雲海に現れる山頂の天守群
備中松山城 天空の城(ふいご峠からの眺め)
備中松山城 天空の城(ふいご峠からの眺め)

備中松山城の見どころとイベント

備中松山城 五の平櫓と六の平櫓
備中松山城 五の平櫓と六の平櫓
山城で唯一現存の天守であり、二重櫓、三の平櫓東土塀ととも国の指定重要文化財に指定されています。
日本三大山城にも数えられ、特に秋には雲海に浮かぶ幻想的なその姿から「天空の城」と呼ばれ親しまれています。
春の新緑、夏の青空、秋の紅葉、冬の雪景色と季節ごとに山城景観を楽しんでいただけるとともに、天守や二重櫓とともに高さ10mを超える天然の岩盤を利用した壮大な石垣群は圧巻で、登城の道のりにも見所が沢山あります。
又、幕末の著名な陽明学者「山方方谷」のゆかりの地や建造物、藩の庭園「頼久寺庭園」、武家屋敷群など江戸時代の名残を残す町並みを堪能できます。

目次

備中松山城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

岡山桃太郎空港から県道72号線を使って車で約50分

▼レンタカーは以下
・トヨタレンタリース岡山 岡山空港店 TEL:086-294-2100
・日産レンタカー 岡山空港店 TEL:086-294-1723
・ニッポンレンタカー 岡山空港 営業所 TEL:086-294-3919
・オリックスレンタカー 岡山空港店 TEL:086-294-5543

▼バスで行かれる場合
 岡山桃太郎空港からリムジンバスでJR倉敷駅(約35分)
 JR倉敷駅からJR高梁駅(約35分)
 タクシーだと約12分で備中松山城駐車場に到着です。ここから20分ほど歩いて備中松山城天守を目指します。
 徒歩だと約1時間で備中松山城天守です。

新幹線・電車で行く場合

■九州・広島方面からの場合 
山陽新幹線:JR新倉敷駅下車
 JR新倉敷駅からJR倉敷駅(約10分)
 JR倉敷駅からJR高梁駅(特急で約35分)
■京都・大阪方面からの場合
山陽新幹線:JR岡山駅下車
 JR岡山駅からJR高梁駅(特急で約50分)

車で行く場合

岡山桃太郎空港から県道72号線を使って車で約50分
■備中松山城、カーナビへの登録は以下の情報で!
住所:岡山県高梁市内山下1

駐車場

大阪城周辺の駐車場で一般車が入れるのは備中松山城鞴峠駐車場、 城見橋公園駐車場の2つです。
※備中松山城鞴峠駐車場は混雑時入れない場合があります。その場合は城見橋公園駐車場から備中松山城鞴峠駐車場までシャトルバスが運行しますのでご活用ください。
■備中松山城 鞴峠駐車場
住所: 〒716-0004 岡山県高梁市内山下
■城見橋公園駐車場
住所: 〒716-0006 岡山県高梁市小高下町2730

備中松山城、最寄りの場所からのアクセス方法

備中松山城 五の平櫓と石垣
備中松山城 五の平櫓と石垣
岡山県高梁市にある山城で、ふいご峠駐車場から約20分ほどの登山にて城を目指します。
ふいご峠駐車場までは、JR西日本伯備線「備中高梁駅」から
・徒歩40分→松山城登山口バス停
・路線バス(市内循環)で約10分→城見橋公園駐車場バス停
・タクシー10分で直接ふいご峠駐車場
を目指す3つのルートがあります。
愛媛県松山市にある「伊予松山城」と混同しないように一般的には「備中松山城」(別名:高梁城)と呼ばれています。
備中松山城の天守、櫓、門、土塀、石垣といった建造物やその城下町について紹介していきます。

備中松山城とその城下町を散策する

備中松山城の天守について(国指定重要文化財)

備中松山城 天守
備中松山城 天守
備中松山城 天守一階の囲炉裏
備中松山城 天守一階の囲炉裏
備中松山城の天守は、櫓(やぐら)の上に望楼が載る二重構造となっている複合式望楼型 2層2階、高さ13mで現存天守の中では最も低い木造建築物です。
望楼とは遠くを見渡すための櫓のことで、備中松山城の場合は、1階の櫓の上に望楼が増築されています。
天守一階には、全国的にも珍しい切込みの囲炉裏や、有事の際に城主一家が立てこもる部屋「装束の間」は一段高く囲われており、この城をめぐり、戦国時代に争奪戦が繰り広げられた状況が垣間見えます。また、江戸時代に改築された天守を囲む黒塗り板は薄く、戦いには不向きであり太平の世に建築されたことを色濃く反映もしています。

二重櫓と三の平櫓東土塀(国指定重要文化財)

備中松山城 二重櫓
備中松山城 二重櫓
備中松山城 三の平櫓東土塀
備中松山城 三の平櫓東土塀
備中松山城 大手門跡
備中松山城 大手門跡
二重櫓は、1階の床面7.9m×5m、棟までの高さ8.4mと規模はさほど大きくはありません。
入母屋造り本瓦葺きで大棟の両端に一対の鯱(しゃちほこ)を、さらに破風には梅鉢懸魚を飾ってあります。
入口は1階の南北両側に備えていること側面には石落としがあり、本丸と後曲輪(うしろぐるわ)を結ぶ役割を果していたと考えられています。残念ながら通常は外観のみの見学となり、イベント時などにのみ内部見学できます。
三の平櫓東土塀は、大手門から三の丸に続く石段の脇に築かれています。備中松山城の土塀は、土を練って造った土の塊を積み重ねて芯とし、その外側に仕上げとして漆喰を塗っています。
長方形の矢狭間、円形の鉄砲狭間が交互に配され実戦的な構造で、面白いことに現存部分と復元部分の境界には段差を設けられ新旧がよくわかるような仕組みになっています。
実は備中松山城には2つの土塀が残されており、もう1つの土塀である厩曲輪土塀は大手門石垣の右側に位置し、大河ドラマ「真田丸」のオープニングにも使われています。

備中松山城の石垣群

備中松山城 厩曲輪の土塀
備中松山城 厩曲輪の土塀
〇備中松山城の石垣群
ふいご峠駐車場から20分ほどの登山すると最初に目にするのが圧巻の高垣です。これは大手門跡の高石垣で、天然の巨大な岩盤を利用し、その上に、野面積み、切込接ぎで積み上げられています。右側には「厩曲輪土塀」の瓦の黒、漆喰の白、上や左右には樹木の緑と美しい情景が突然飛び込んでくる感じです。
近年、岩の割れ目に出た樹木の成長による影響で、裂け目が少しずつ広がり、上に積まれた石垣にずれが生じ、「不安定岩盤斜面監視システム」を導入して崩落を24時間観測・監視しています。
また、大手門を抜け、三の丸から二の丸に向かうと、土塀左側につづら折りのきれいに整備された石垣が見えます。

城山山麓に作られた武家の住まいと庭園

備中松山城下の街並みは、そこかしこに古い町並みが息づき、江戸時代にタイムトリップしたような錯覚を覚えます。
石火矢町ふるさと村と武家屋敷群が点在する「武家屋敷通り」、城主の庭園「頼久寺庭園」のある「頼久寺通り」更にその南側を流れ高梁川にそそぐ「紺屋川筋」は特におすすめです。

武家屋敷群(旧折井家と旧埴原家屋敷)

備中松山城下 石火矢町街並み
備中松山城下 石火矢町街並み
旧折井家は江戸時代後期に建てられ、当時160石の馬回り役を勤めた下級武士が住んでいた屋敷です。
旧旧埴原家は江戸時代中期に建てられ、近習役や番頭役などを勤めた武士の住宅です。
江戸時代中期から後期にかけて、一二〇石から一五〇石取りで、近習役や番頭役などを勤めた武士の住宅である。
寺院建築や数寄屋風の要素を取り入れた珍しい造りであり、市の重要文化財に指定されています。
山田方谷資料室もあり山田方谷の資料を見ることができます。

頼久寺庭園

頼久寺庭園
頼久寺庭園
頼久寺は1339年(暦応2)、足利尊氏が安国寺として建立した禅寺です。その中にある国指定名勝の庭園は、備中国奉行・小堀遠州が1605年頃に作庭したとされた蓬莱式枯山水庭園です。俗に「鶴亀の庭」と呼ばれる天下の名園で、はるかに望む愛宕山を借景に、砂の波紋で海洋の感じを出し、中に鶴亀二島を配し、さらに、大海の波をあらわすサツキの大刈り込みで背景を整えています。江戸初期の庭園としてはわが国を代表する庭園の一つです。

紺屋川美観地区

紺屋川美観地区
紺屋川美観地区
頼久寺通りの南を流れる紺屋川の川筋は「日本の道100選」にも選ばれており、江戸時代の情緒を感じながら散策できます。
紺屋川はかつて備中松山城外堀の役割を果たしており、河畔には美しい桜と柳の並木道が続き、県下最古の教会・高梁キリスト教会堂や藩校有終館跡など見所も豊富です。

備中松山城と合わせて訪れたい観光スポット|倉敷美観地区

倉敷美観地区 中橋
倉敷美観地区 中橋
倉敷美観地区は、JR倉敷駅の南、徒歩で約12分の所にある江戸時代の風情を感じられる街並みが広がる重要伝統的建造物群保存地区です。
倉敷は、旧街道「松山往来」と山陽道を結び、瀬戸内交易の港がある重要な拠点で早くから商業が盛んでした。
1600年(慶長5)には備中国奉行領、その後は備中松山藩の玄関港として上方への物資の輸送中継地となり、その後1642年(寛永19)には天領となり代官所が置かれました。
備中松山藩が外様から譜代、親藩大名の管轄になるのは倉敷が上方貿易で重要な拠点であったことも影響しています。
こうした備中国南部にある物資集散地として発展した歴史から、白壁海鼠塀の蔵(=倉)や商人の屋敷が立ち並び「倉敷」と呼ばれるようになったといわれています。
倉敷美観地区は主に、
・倉敷川沿いに商人の蔵や邸宅跡が並ぶ「倉敷川畔エリア」
・かつて倉敷の中心部と早島を結ぶ街道筋で箪笥屋、桶屋などの職人達、格子戸の宿や酒屋が軒を連ねた「本町・東町エリア」
の2つに分かれます。以下この2つのエリアについてご紹介していきます。

倉敷川畔エリア の見どころ|倉敷美観地区

大原美術館|倉敷美観地区
大原美術館|倉敷美観地区
倉敷館|倉敷美観地区
倉敷館|倉敷美観地区
旧大原家邸宅|倉敷美観地区
旧大原家邸宅|倉敷美観地区
倉敷川畔エリアには、情緒あふれる江戸時代、明治維新の建造物が数多く残っており、
・大原美術館
・旧大原家邸宅
・倉敷館(現美観地区観光案内所)
・倉敷アイビースクエア(代官所跡地に建てられた旧倉敷紡績工場の建物を改修・再利用した観光施設)
など見所が多くあります。
特に大原美術館は、西洋美術、近代美術を展示する日本最初の美術館として開館し、
・エル・グレコの「受胎告知」
・モネの「睡蓮」
・ ルノワールの「泉による女」
・ゴーギャンの「かぐわしき大地」
・ピカソの「鳥籠」
といった数多くの有名近代画家の作品を展示している。

本町・東町エリア のみどころ|倉敷美観地区

倉敷美観地区 本町通
倉敷美観地区 本町通
倉敷美観地区 観龍寺
倉敷美観地区 観龍寺
倉敷美観地区 阿智神社
倉敷美観地区 阿智神社
かつての倉敷の中心部と早島を結ぶ街道筋が「本町・東町エリア」です。
現在も格子戸の宿、杉玉が軒に下げられた造り酒屋が並び、生地を中心にしたモダンなクラフト商品を並べるお店も軒を連ねています。
本町から東町へと続くこのエリアは、観龍寺や阿知神社へと続く参道なども点在し、まるで江戸時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えます。

備中松山城から倉敷美観地区への行き方

倉敷美観地区は、備中松山城から車で約1時間10分
・高速だと賀陽ICから「中国横断自動車道/岡山米子線/岡山自動車道」経由し倉敷ICで出て国道429号を南下するルート
・一般道だと国道、県道を使って高梁市の昭和町から国道429号を南下するルート
の2つあります。
電車はJR備中高梁駅からJR倉敷駅まで1時間に2本程度あり、約30分で着きます。
備中高梁駅には、徒歩で40分程度
途中紺屋川美観地区や石火矢町の武家屋敷群、頼久寺などの散策がおすすめ(1時間~2時間の散策)です。
疲れたら、備中高梁駅の2階が図書館兼スタバになっているのでちょっと休憩して向かってください。
JR倉敷駅からは徒歩で10分程度で倉敷美観地区に到着いたします。

備中松山城下(主に高梁市)の日本酒や工芸品

備中国は日本酒造りが盛んな場所でもありました。
一般的に日本酒造りは米の産地に近い場所、気温に寒暖差がある場所、水のおいしい場所が最適といわれていますが、
まさに備中高梁はこれに当たります。
備中松山城下でも特に西の山間に位置する成羽は備中杜氏と呼ばれる酒造りの職人が暮らす場所としても有名でした。
以下に代表的な日本酒の蔵元とオンラインショップURL、あるいは電話番号を記載します。
よかったら旅の思い出に注文してみてください。
※森沢酒造はJR備中高梁駅から徒歩5分ぐらいのところにあり、石火矢地区武家屋敷群、紺屋川美観地区に向かう道すがらにありますので立ち寄れます。

■白菊酒造
https://www.shiragiku.com/

■赤木酒造
http://www.akagishuzo.jp/

■芳烈酒造
http://www.houretu.jp/

■浅野酒造
0866-48-3005

■森沢酒造
0866-22-2067

倉敷の工芸品、そして日本酒

酒津焼 倉敷
酒津焼 倉敷
倉敷デニムストリート 倉敷美観地区内
倉敷デニムストリート 倉敷美観地区内
渡辺酒造本店 沙沙50・夢倉敷39
渡辺酒造本店 沙沙50・夢倉敷39
【倉敷の工芸品】
倉敷は、上方交易の重要な拠点であり、焼き物や和紙といった伝統工芸品の他、瀬戸内海で取れる綿花の加工で栄えた繊維業も盛んでした。
大原美術館で有名な大原家は倉敷紡績(現:クラレ)の創業家でもありこうした繊維業で財をなしました。
早くから西洋と日本が交わってきた倉敷には実に様々な工芸品が産まれます。
ここではその中でも、倉敷ガラス、酒津焼、ジーンズと代表的なお店をご紹介いたします。

■倉敷ガラス
倉敷ガラスは小谷真三氏と長男の栄次氏の親子二人の手でのみ作られる口吹きガラス製品の総称で、小谷ブルーといわれる
浅葱色と緑色が合わさってできた独特の「青」が有名。
購入はこちらから
https://www.hibinokurashi.com/jp/category/21

■酒津焼
器が分厚く、堅牢である点が特徴的で、飾りの少ない意匠で、灰釉を中心とした色であるために地味であるが、海鼠塀を思わせるその独特風合いが魅力。
・倉敷酒津焼 兜山窯
 https://sakadu.jp/
・酒津焼窯元
 086-422-1962

■ジーンズ
倉敷デニムストリートにはたくさんのジーンズ屋が軒を連ねています。
・倉敷ジーンズ
 https://kurashikijeans.business.site/
・デニム研究所 倉敷 by JAPAN BLUE /Denim laboratory
 https://www.denimlabo.com
※倉敷美観地区にもジーンズ屋はあるが、更に南下した児島地区にもたくさんのショップがある。
代表的なところでは、
・児島ジーンズ 児島店
 http://eshop.kojima-genes.com/
・倉敷天領デニム児島店
 http://klax-on-online.net/
・ジャパンブルージーンズ 児島店
 https://www.denimlabo.com/c/japanbluejeans/
・ベティスミス 倉敷オーダージーンズサロン
 https://betty.co.jp/

【倉敷の日本酒】
倉敷のお酒は比較的甘口のお酒が多く、生で飲むのが一般的です。
以下に代表的な日本酒の蔵元とオンラインショップURL、あるいは電話番号を記載します。
よかったら旅の思い出に注文してみてください。
■倉敷酒工房 渡辺酒造本店
https://watanabeshuzou.shop/
■森田酒造
http://www.moritasyuzou.co.jp/
■熊屋酒造
086-485-0007

備中松山城の御城印と百名城スタンプ

備中松山城の御城印

備中松山城では、御城印が以下2か所で購入可能です。
備中松山城 券売所
住所: 〒716-0004 岡山県高梁市内山下1
料金は300円

備中松山城の日本百名城スタンプ

備中松山城の日本百名城スタンプは以下で押せます。
備中松山城 券売所
住所: 〒716-0004 岡山県高梁市内山下1

備中松山城の入城情報所在地

住所: 岡山県高梁市内山下1

開城時間

9:00~16:30

休城日

12月29日~1月3日

料金

大人:500円
小中学生:200円

製作スタッフ紹介

記事&写真担当

倉之丞
倉之丞
歴史作家。城郭ナビゲーター。
城巡り歴は約40年ほど。防衛施設としての城もさることながら城下町としての街づくりが好き。
特に江戸時代の教育・文化・経済に強く惹かれています。
日本100名城、日本続100名城を中心に訪れたお城の数は150城を超え、2025年に200城を目指し日夜研鑽中。
現在、城トリップで仲間たちと城巡りの情報交換を行いながら記事更新しています。